将来に向けて資産を築く「資産形成」の考え方。資産運用と何が違う?

将来安定した暮らしを送るにはどうすれば良いでしょう?希望するライフプランを実現するには、資産形成の考え方が欠かせません。この記事では、資産形成とは何か、資産運用との違いとは何か、なぜ資産形成が必要なのか解説していきます。

資産形成とは

資産形成とは、将来に向けて、一から資産を築いていくことです。資産を築く方法には、タンス預金や金融機関の普通預金などを活用した「貯蓄」もありますが、貯蓄とは異なります。

貯蓄が資産を蓄えることであるのに対し、資産形成は、ライフプラン実現のために、将来に向けて積極的に資産を築いていくことを表すためです。老後の不安がささやかれる現代において、資産形成に注目する人も増えています。

資産形成と資産運用の違い

資産形成に似た言葉に、「資産運用」があります。ですが、両者は似て非なるものです。

資産運用とは、資産形成とは違い、すでにある資産を使って、不動産や金融資産への投資を行い、さらに資産を増やしていくことを表します。

資産形成である程度の目標額まで資産を築いたら、次は資産運用で資産を活用して資産を増やしていこうというイメージです。将来な資産額に満たない場合は、資産形成からはじめる必要があります。

資産形成の必要性

資産形成は、インフレへの備え、老後の備え、ライフプランの実現のために必要とされています。それぞれ詳しく見ていきましょう。

将来のインフレに備えるため

インフレ(インフレーション)とは、物価上昇のことです。たとえば、150円で購入できたりんごが、インフレにより200円ないと購入できなくなることをいいます。市場や需給を考慮しない場合、同じりんごでも、購入するためにより多くのお金が必要になることから、実質的にお金の価値は下がることになります。

インフレが進行すると、現在1,000万円の現金も、実質的には800万円や700万円など価値が低くなってしまうこともあるのです。

低金利の預金では、インフレに対応して資産を築くことは困難です。そのため、将来必要になるお金を見越した資金形成が必要とされています。

老後の不安を和らげるため

2019年、金融庁がまとめた有識者会議の報告書の中で、公的年金では不足するため、老後までに2,000万円の資金が必要という内容から「老後2,000万円問題」が浮上しました。実際には、個々の事情や生活スタイル、将来の公的年金の支給額も異なることから、必ずしも2,000万円が必要なわけではありません。しかし、多くの人に衝撃を与えたのは言うまでもないでしょう。

年金は老後の生活の支えにはなるものの、生活スタイルによっては十分に足りないケースも想定されます。将来の万一の事態に備えるためにも、老後にゆとりのある生活を送るためにも、年金以外に使える資金を形成しておく必要があります。

自分らしいライフスタイルを実現するため

最近では「FIRE」が注目されています。FIREとは、早期に会社を退職して、仕事に縛られることなく自分らしいライフスタイルを実現することです。完全に会社を辞めて趣味を謳歌する人もいれば、会社への出勤を週2~3回程度に減らしてFIREする人、趣味を仕事にして自分のペースでFIREする人などがいます。

FIREや自分らしいライフスタイルの実現には、FIRE後も暮らしていけるだけの資金が必要です。そのためにも、資産形成は重要とされています。

資産形成の方法

資産形成のためには、今ある資産を守りつつ、運用部分を設けて効果的に資産を築いていく必要があります。ほとんどの資産を運用益の小さい金融資産につぎ込む方法、またはリスクの高い金融資産につぎ込む方法は、資産形成の方法としては向いていません。

今回は、数ある金融商品の中でも資産形成に向いたものを、いくつかピックアップして紹介します。

定期預金(定期貯金)

金融機関に一定期間お金を預けることで、普通預金よりも高い利息が付く金融商品です。ほかの金融資産で資産形成をするのに抵抗がある人、不安がある人は、定期預金をベースに少しずつリスクのある金融資産を取り入れると良いでしょう。元本割れのリスクは限りなく低い金融資産ですが、低金利の現代では利息が低く、運用益を期待できない部分もあります。

貯蓄型保険

貯蓄型保険とは、個人年金保険や養老保険など、保険による保障を維持しつつ、資金の積み立てにもなる金融資産をいいます。保険料の一部を積み立て部分として、満期や払込終了まで貯蓄してくれる保険です。所得税の生命保険料控除が利用できるため、保険料払込中は節税効果も期待できます。

財形貯蓄(財産形成貯蓄制度)

財形貯蓄は、企業が福利厚生制度として取り入れている場合に利用できます。給与から毎月の積立分を自動的に天引きしてくれる制度です。なかなかお金が貯まらない人は、強制的に積立ててくれる財形貯蓄を活用してみるのも良いでしょう。住宅購入のための財形住宅貯蓄、老後の年金のための財形年金貯蓄は、一定額まで利息が非課税になります。

つみたてNISA

投資資産について、一定額まで非課税とすることで資産の活用を促すNISAといわれる制度があります。NISA制度の中で、資産形成に向いているのが「つみたてNISA」です。手数料の低い厳選された投資信託を中心に投資ができ、年間40万円まで、最大20年間の積立額が非課税になります。

確定拠出年金

確定拠出年金には、企業型のDCと個人向けのiDeCoがあります。毎月の掛金に上限はありますが、いずれも運用益を非課税とすることで、老後の資金形成を目的とした金融資産です。基本的に、運用方法は自身で選択できます。iDeCoに関しては、拠出金の全額を小規模企業共済等掛金として所得から全額控除できます。

まとめ

資産形成とは、ライフプランの実現に向けて、資産を一から築いていくことです。すでにある資産を運用する資産運用とは異なります。将来必要な資産が十分にないときは、資産形成からスタートしましょう。

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