運用するならどっち?人類最大の発明「複利」と「単利」の違いを解説




この記事の監修

石井 治彦(いしい はるひこ)

石井 治彦(いしい はるひこ) ファイナンシャルプランナー

新光FPサービス
教育プラン診断士 ライフプランナー FP技能士 住宅ローンアドバイザー 外国運輸金融健康保険組合元理事 外国運輸金融健康保険組合年金基金運用元委員

資産形成、資産運用、教育関連を得手として活躍している。
趣味は犬の散歩(健康管理もかねて)・料理(祖父、父、兄がプロ)。

銀行に預金をすると、利息(=金利)がついてきますよね。

この利息には「単利」と「複利」の2種類があることをご存知でしたか?

あまり耳にしない言葉ですが、このふたつの違いを知っているか知っていないかは、資産運用に大きく関わってきます。

お金で得をするために、また、お金で損をしないためにも、違いをしっかり理解しておきましょう。

単利と複利の違い

単利と複利の違いを簡単にご説明すると、

単利・・・最初に預けた元本に対してのみ利息がつく

複利・・・最初に預けた元本のみだけでなく、前期の利息分も元本として換算し、そこに(次期の)利息がつく

ということになります。

具体的にどう違ってくるのか、簡単な数字を使いながら見ていきましょう。

単利の増え方

例えば、「100万円の元手金を年利7%で5年間運用する」とします。

元本(元手となる預金)100万円
年利(1年ごとにつく利息)7%
年数5年

これを単利運用すると、

年数利息元利合計
0年目0円100万円
1年後7万円107万円
2年後7万円114万円
3年後7万円121万円
4年後7万円128万円
5年後7万円135万円

利息は元本の100万円に対してのみ付くので、毎年7万円ずつ利息がもらえる計算になります。

1年後でも5年後でも、年利を7%と定めている以上は毎年7万円ずつ増えていきます。

例えば3年後の欄を見ると、

3(年数)×0.07(年利)=0.21

となるので、年利7%で100万円を預けると、3年後には、21万円の利息が発生します。

単利の利点はどのようなものですか?

利点という説明はできません。ただ単に「元本に単年度計算での利率」というだけです。あえて申し上げれば借り入れるなら単利が有利です。

複利の増えかた

次に、まったく同じ条件で複利の増えかたを見てみましょう。

100万円の元手金を年利7%で5年間運用すると、

※オレンジ色の部分がその年次にもらえる利息分です。

年数利息元利合計
0年目0円100万円
1年後7万円107万円
2年後7.5万円114.5万円
3年後8万円122.5万円
4年後8.5万円131万円
5年後9万円140.2万円

利息は前年の元利合計に対して付いていくので、どんどん利息が増えていきます。

なので、1年後と5年後とでは利率(7%)そのものが変わらなくても金利の数字が変わります。

3年後を例にすると、利息は前年の元利合計に対してかかるため、

114.5万円(元金を預けてから2年後の元利合計)×0.07(年利)=8万円(元金を預けてから3年後の金利)

これが年々繰り返されていくので、雪だるま式に増えていきます

複利の利点はどのようなものですか?

こちらも利点という説明はできません。預入の場合は複利が有利です。

単利よりも複利のほうが利息は高くなる

ここで、単利と複利の表それぞれの、3年後の欄を見比べてみます。

利息元利合計
単利・3年後 7万円121万円
複利・3年後 8万円122.5万円

利息の額合計の額も大きく変わります。

複利運用のほうが単利運用の時と比べて約1.5万円も得をしていることがわかります。

また、4年後・5年後と元利合計の差はさらに広がっていきます。

資産運用をするなら基本は複利!

資産運用をするにあたって選ぶべきなのは、結論から言えば複利です。

複利は単利よりも、投資してからの時間が経てば経つほどリターンが大きくなるからです。

なので同じ期間同じ金利で運用するならば、利息が多くなる複利をオススメします

※ただし、全く同じ条件で単利か複利かを預金者が選べるケースは少ないです。課せられた条件をよく吟味するようにしましょう!

複利に潜む落とし穴

ドイツ生まれの物理学者・アインシュタインは、複利を「人類最大の発明」「宇宙でもっとも偉大な力」と呼んだ、と言われています。

アインシュタインのお墨付きなら、全て複利運用にしよう!と、いきたいところですが、上手い話には必ず落とし穴があるということを忘れてはいけません。

複利の金融商品は、単利の金融商品に比べて預貯金者に不利な条件がついていることもあります

元本保証はあるか利率はどうなっているかなど、目先の数字だけに飛びつかず冷静に比較検討するようにしてください。

また、クレジットカード消費者金融などの借金は基本的に複利です。

放っておくとあっという間に借金が膨れ上がっている状況になりかねないので、利用する際には十分に注意しましょう。

利息を使いたいなら単利、利息を使う予定がなければ複利

もっとも簡単で効果的な複利運用の方法は、途中で手を出さずにずっと放置しておくことです。

複利運用は、最低でも5年、更に10年、20年まで元金を保有すると複利効果が出てきます。

しかし逆を言えば、複利運用をしている途中でお金をおろしてしまうと利息は増えません。また、複利運用の商品は途中解約すると違約金がかかるものが多いです。

なので、

  • 利息をお小遣いとして使いたい!という人・・・単利
  • 利息を少しでも多くもらいたい!という人・・・複利

という方法をとっていくことを強くオススメします!

途中解約をするかどうか分からないのですが、とりあえず複利を利用したほうが効果的に運用できますか?

その通りです。ただ複利の優位性は長く継続すればするほどあらわれます。

投資対象への分析は必須!

個人貯蓄を企業や金融機関などが仲介して守ってくれている以上、投資対象への分析は必須です。

単利運用を選ぶにせよ、複利運用を選ぶにせよ、良し悪しは必ず出てきます

企業や機関に任せきりにせず、投資対象を自分の目で見て吟味して資産運用することが大切です。

まとめ

資産運用は複雑怪奇、と言うと少し大げさですが、分かりづらい金融商品が沢山あるのは事実ですが、基本的に複利の方が良いです。

リスクの部分をしっかり確認しつつ、複利で運用している商品を選ぶようにしましょう。