カントリーリスクは海外投資に欠かせない知識!事例と共に解説します

海外に投資をする際に気を付けなくてはならないポイントはいくつかありますが、そのひとつが「カントリーリスク」です。

カントリーリスクとは、投資対象の国で起きた出来事によって損害を被るリスクのことを言います。

予測できない天災や、急な金融システムの変更など、投資先の企業が持つ商業リスクとは全く関係なく起こりうるリスクなので、海外に投資をするなら認識しておかなくてはならない知識です。

この記事では、カントリーリスクの意味と、カントリーリスクの認識方法、近年起きたカントリーリスクが顕在化した例を解説していきます。ぜひ参考にしてみて下さい。

カントリーリスクとは

カントリーリスクとは、投資対象の国の経済情勢や政治情勢の変化によって損害が生じてしまうリスクのことです。

株式や投資には、為替リスクや元本割れのリスクなど、様々なリスクがありますが、カントリーリスクもその1つで、海外の企業へ投資を行う場合に発生します。

日本で暮らしていると紛争・内乱などの世界の情勢の変化を身近に感じることはあまりないかもしれませんが、投資先の国の情勢が変化すると、外貨預金や投資信託などの資産価値が大きな影響を受ける可能性があるのです。

カントリーリスクの要因

カントリーリスクの要因については、明確なガイドラインがあるわけではありません。一般的にカントリーリスクの要因になりうると考えられている状況には、次のようなものがあります。

  • 政治情勢の変化
  • 紛争や内乱
  • 金融システムや税制の変更
  • 為替レートの大幅な変動
  • 銀行システムの混乱
  • 財政破綻
  • 予測不能な無差別テロなどの社会情勢

カントリーリスクはどの国にもあるものですが、情勢の変化の幅が大きい中東やアフリカ、中南米などの発展途上国は特に高いと言われています。

しかし、2019年に発生した新型コロナウイルス感染症の拡大で世界的に情勢が不安定になったため、最新のカントリーリスク調査では多くの国で評価点の減少が見られました。

カントリーリスクを認識するための指標

海外に投資を行うのであれば、カントリーリスクは必ず考慮しなくてはなりません。カントリーリスクを知るために有用なのが、格付け機関や調査会社が発表している「カントリーリスク調査の結果」です。

以下をはじめ、複数の機関が調査結果を公開しています。

  • スタンダード&プアーズ(S&P)グローバル・レーティング
  • 日本貿易保険(NEXI)
  • 格付投資情報センター(R&I)

世界最大手の格付け機関である「スタンダード&プアーズ(S&P)グローバル・レーティング」は、「リスクが非常に低い:1」「リスクが非常に高い:6」といった「カントリーリスク指標」を用いて評価を行っています

「日本貿易保険(NEXI)」の評価結果は、各国のカントリーリスクが地図上で色分けされているため、地理的な情勢も読み取りやすいところが特徴です。

カントリーリスクの事例

日本の主要な格付会社「格付投資情報センター(R&I)」が2020年7月に実施したカントリーリスク調査によると、コロナウイルスが感染拡大する以前の同年1月の調査と比べて評価点が悪化した国と地域は、世界で67か所に及んでいます(参考:日経新聞2020年9月2日版)。

このように、カントリーリスクは私たちの身近にも事例があり、天災や急激な社会情勢の変化など、事前の予測がむずかしいものもあるのです。

最後に、これまでにカントリーリスクが顕在化した事例の一部を見てみましょう。

  • 2010年:国家経済危機(ギリシャ)
  • 2011年:東日本大震災による原発事故(日本)
  • 2011年:大洪水により諸外国企業に壊滅的ダメージ(タイ)
  • 2015年:人民元の切り下げ(中国)
  • 2016年:首都クアラルンプール周辺での大規模断水(マレーシア)
  • 2018年:北アイルランド国境問題(イギリス)
  • 2019年:電力公社の再国有化問題(フランス)

2011年の東日本大震災とそれに伴う原発事故の発生では、日本のカントリーリスクの要因のひとつである「地震や津波の危険性の高さ」が顕在化し、株価が大幅に下落しました。

他に挙げられる日本のカントリーリスクの要因としては、食糧自給率が低いこと、IT攻撃を受けやすい脆弱さなどが考えられます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
この記事では、カントリーリスクの意味を解説し、カントリーリスクを認識するための指標や、近年カントリーリスクが顕在化した例をご紹介してきました。

カントリーリスクの中には事前の予測がむずかしいものもあるため、リスクを完全になくすことはできません。急な情勢の変化などがあると短期間で大きく損をしてしまうこともあるので、海外に投資をする場合は投資先の国を複数にわけて、リスクを分散することを心がけましょう。

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