分散投資とは?「分散」の意味と効果をわかりやすく解説します!

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投資について調べてみると、「分散投資」という言葉をよく見かけることがあります。

分散投資とはどういう投資のことを指すのか、一体何をどう「分散する」のか、何となく分かっているような気はするものの、それでも曖昧になってしまっている方も多いのではないでしょうか。

今回は、投資における「分散投資」の意味と、分散投資による効果について解説していきます!

分散投資とは

分散投資とは、以下のように定義されています。

複数の証券に分散して資金を投下することをいう。複数投資の目的は,ポートフォリオ全体の投資リスクを、個々の証券のリスクの加重平均値以下に減らすことにある。これは,高収益を期待できる証券ほどリスクも大きいという前提の下に,複数の証券を組み合わせて収益のばらつきを相殺させることによって,リスク軽減効果を狙うものである。同時に分散投資は,大きな収益を獲得するチャンスを犠牲にするものであるが,高収益を放棄することによるマイナス面よりも,リスクが減少することによるプラス面が高く評価されている。


出典:ブリタニカ国際大百科事典/ブリタニカ国際大百科小項目事典について

これを簡単にまとめると、読んで字の如く「投資対象を複数の資産や銘柄に分散させて資産運用すること」です。

この方法をとれば、資産運用に伴う価格変動のリスクを低減させることができ、ある程度の高リターンを目指す方法として非常に有効なものになります。

分散投資にはいくつかのやり方がある!

「分散投資をする」とひとことで言っても、やり方は様々な種類があります。
ここでは、分散投資の王道である三つのやり方をご紹介していきますね。

投資先分散

主に株式投資などをするとき、投資先を分散させて運用していく方法です。

複数の企業の株式に分散することで、たとえどこかひとつの企業の業績が悪く、株価が低下してしまったとしても、ダメージを抑えることができます。

運用できる資金が増えてきた場合、分散先を増やせばリスクはさらに小さくなります。同時に利益率も小さくなるのが通常ですが、元手が大きくなっていれば利益率が下がっても利益金額は増えていると思われますので、資金が大きくなればなるほどリスクは小さくした方が賢明です。

時間分散

投資商品を購入するタイミングを分散する時間を分散して投資する方法です。

これを「ドル・コスト平均法」と呼びます。商品を購入するときの平均単価を抑えるのに効果的な方法です。

どういうものかというと、例えば、毎月1万円ずつ投資信託を購入するとしますよね。
基準価格は常に変動するものなので、同じ1万円でも購入できる量はその月によって変わってきます。
価格が低い時には多くの口数を購入し、価格が高い時には口数を減らして購入しすることにより、購入時の平均単価を下げることができるのです。

商品分散

別名「銘柄分散」です。株式、債券、不動産など、銘柄を分けて購入していく方法になります。

債券が上がる時は株式が下がり、株式が上がる時は債券が下がるなど、値動きが相反する傾向を持つような投資商品を組み合わせると効果的になる手法です。

このスタイルは比較的ローリスクであり、外貨預金と円預金、もしくは国内債券と外国債券に分散する手法などがあります。

為替の変動によるリターンを狙えるほか、金利でのリターンも期待できます。

商品分散を行う際には、株式投資、投資信託、債券、外貨建て商品など運用方法を1つに絞らず複数に分け、さらにリスクの高さも大きいものと小さいものにすることや、価格の上下する要因が異なる資産に分散するなどが基本です。


そのほか、投資対象の地域(国)を分散させる方法や投資対象の通貨を分散させる方法などもありますが、まずは「投資先」「時間」「商品」、この三つのうちのどれかで分散させていくのがやりやすいでしょう。

初心者ですと、大きなリスクをは避けるのが賢明です。基本的には、株式と債券は逆相関です。また、先進国はリスク小で新興国はリスク大です。金利は日本が劇的に小、他の先進国が中、新興国が大ですので、日本を含む先進国の株式、債券、外貨預金の分散が良いかもしれません。

どうして分散投資をした方がいいの?

分散投資をするには、資産がないとメリットを出しにくいのも確かなのですが、初心者には分散投資をお勧めする理由があります。

どうして分散投資をした方がいいのかというと、分散投資は集中投資に比べて単純にリスクが低くなるためです。

投資とはそもそもある程度のリスクをとってお金を増やしていく仕組みのことですが、投資にはリスクがつきもの。

頭ではわかっていても、やはり「リスク」と聞いてしまうとどうしても怖いと感じてしまいますよね。
分散投資をしてリスクヘッジ(=リスクに対応できる体制をとって備えておくこと)をしておけば、ある程度まではリスクが低減されるため、集中投資をするときよりも不安要素が格段に少なくなります。

投資する先をいくつか分けることで資産を大幅に増やすことは難しくなりますが、そのぶん大きく損をする可能性も減るので、安全に運用していきたい人にはぴったりなのです。

特にこれから投資を始めようという方はできるだけリスクがない方法を選ぶことをおすすめします。

「全ての卵を同時にひとつのカゴに盛ってはならない」

投資の世界には「全ての卵を同時にひとつのカゴに盛ってはならない」という格言があります。

すでに見聞きしたことがある方も多いと思いますが、これから投資の世界に挑戦していくのであれば是非とも心にとどめておきたい言葉です。

この格言について、少しだけご説明すると。

卵を資金、カゴを投資先と考えてみてください。

例えば、30個の卵をひとつのカゴに盛るとします。何かの拍子でカゴが派手に倒れてしまうと、中に入っていた30個の卵たちは割れてしまったり、殻にヒビが入ってしまったり、何かしらのダメージを受けます。

そこで、カゴを5つ用意し、そこに6個づつ卵を盛っていく方法に変えてみます。

すると、たとえどれかひとつのカゴが倒れてしまったとしてもダメージは卵6個分だけにとどめることができます。

この仕組みを念頭に置きながら、これをお金の話に置き換え直して考えてみましょう。

一つの会社の株式だけに集中投資した場合、投資商品を買った時の水準を株価が下回ったり、企業が倒産してしまったりすると、損失もそのままダイレクトに響いてきてしまいます。

色々な種類の投資を行っていくスタイルにすれば、景気の変動などでどれかが大きな打撃を受けたとしても、全体のダメージは抑えることに成功していることになります。

集中投資による大きな損失を未然に防ぐために、高リターンを目指して集中的に投資するのではなく、分散投資をして確実な収益を得ていく方法を取ったほうが賢明なのです。

デメリットもある

分散投資は比較的リスクが少なくなる投資方法と考えていいでしょう。ですが、ということは、リターンも少なくなるということに直結します。

また、複数の分野・種類の商品に投資する必要があるため、投資の購入時、手数料にそれ相応の金額が必要になってきます。

さらには自分の投資対象の運用状況を事細かに監視する必要も出てくるので、時間と手間がどうしてもかかってきてしまいます。

資産の組み合わせ方「ポートフォリオ」

リスクを小さく抑えられる代わりに、このようなデメリットがあるということも覚えておきたいポイントです。

分散投資をするにあたって、重要なものになってくるのが「ポートフォリオ」です。
これは、色々な資産の組み合わせのことを指します。

言うなれば、「リスクを管理しながら収益を上げるために、資産運用の全体像としての基本設計図」です。

例えば、国内株式、国内債券、外国株式、外国債券、REIT、不動産、預金などは、価格変動の大きさ(リスク)や値動きの要因がそれぞれ異なります。
そこに着目し、運用財産の中にどの資産をどれだけの割合で組み入れていくかを決めていくのです。

コントロールするのは「リターン」ではなく「リスク」

どんなにプロの投資家をもってしても、リターンを思いのままにコントロールすることは不可能です。
「儲かる銘柄があれば教えて」とお金のプロに聞いてみても、おおかた苦笑いされてしまうのはこういう理由からです。

リターンをコントロールすることは誰にも出来ませんが、リスクをコントロールする(投資金額を調節する)ことであればプロの投資家でも投資の初心者でも十分に出来ます。

かなり大きい額で運用していく、いわば「攻めの運用」は限られた富裕層にしか向きません。

着実に運用していきたいのであれば、リスクを抑えた「守りの運用」で運用していくほうがベターであり、自分の身の丈に合ったやり方で運用していくほうが堅実です。

確かに資産が沢山あるに越したことはありませんが、資産は増えれば増えるほど管理する手間もかかってきてしまいます。

投資(金融商品)にも相性があるので、少額から試してみて自分にあったものを見つけていきましょう。

何事においてもそうですが、例に漏れず、資産運用においても「絶対」はありえないので「今後の経済の流れ」をある程度予測しながらやっていくことをおすすめします。

まとめ

分散投資を行うということは、投資をするにあたって万が一に備えておくということと同義です。

初めて挑むことには恐怖心も不安も、リスクもついてきます。ですが「リスク」とは必ずしも危険性の事ばかりを指すわけではなく、ある意味、勇気の度合いを示すものでもあるのです。案ずるより産むが易し、という言葉もあるように、まずは少額から一歩を踏み出してみるのもいいのではないでしょうか。

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