期待収益率は不確実?意味や計算方法について解説

期待収益率の計算式

株式や不動産投資を行う際、概念の1つに挙げられるのが「期待収益率」

投資先の判断基準としての意味合いがありますが、投資初心者からしたら、いまいちピンとこない人も多いはずです。

本記事では、はじめて株式・不動産投資を行う人でも理解できるよう、期待収益率の概要と投資の収益の種類・計算方法について噛み砕いて説明していきます。

期待収益率とは

期待収益率とは、投資家が対象の資産を運用することで、将来獲得できる収益(リターン)の平均値のことを指します。「要求収益率」や「期待リターン」とも呼ばれています。

端的に説明すると投資する資金に対し、どれくらいの収益が見込めるかを示した数値です。

期待収益率がマイナスの場合は投資をしても損をしますが、プラスになるようであれば投資による収益獲得が期待できると言えます。

ただし、期待収益率は投資する資産によって異なります。資産運用において高い期待収益率を期待することはできません。

預金や国債等は最初から収益率が決まっているため比較的安全な投資といえますが、株式や外貨への投資は値動きがあるので将来の収益率が不確実。

不確実の高いものをファイナンスではリスクと考えられており、不確実性が高いものほど期待収益率も高まる傾向にあります。

そのため、投資家は値動きがある将来の収益性をリスクの程度を踏まえ期待収益率を求めます。

投資での収益の種類

インカムゲインとキャピタルゲイン

投資において、収益は次の2種類があります。

インカムゲイン

インカムゲインとは、利子のような収益のことで、つまり、投資した資産そのものが生み出す「投資の果実」となる収益です。

インカムゲインの種類には、次のようなものがあります。

  • 銀行預金による金利
  • 債券の利息
  • 株式の配当金・株主優待
  • 投資信託による収益分配金
  • 不動産の家賃収入

キャピタルゲイン

もう一つの投資の収益として、キャピタルゲインというものがあります。キャピタルゲインとは、投資した資産そのものを売却して得ることができる収益、つまり値上がり益のことです。

キャピタルゲインの最大の特徴は、その資産を売却した収益を得ることができるのは、1回のみであることです。

株式や不動産等の資産には値動きがありますので、売却しても損失の方が大きくなる可能性があります。

つまり、その資産の投資時(購入時)よりも値段が下がっている時点で売却すれば損。これはキャピタルロスという投資におけるリスクとなります。

期待収益率の計算方法

期待収益率
意外と簡単な期待収益率の計算方法

株式投資における期待収益率の計算方法をご説明します。

ヒストリカルデータ方式

期待収益率を求めるうえで最も簡単な計算式が、過去のリターンを基に期待収益率を求める「ヒストリカルデータ方式」と呼ばれる計算式。

字義通り、過去の平均リターン値などで資産の期待収益率を求めます。もちろん将来は過去の通りになることはありませんが、過去にある長期的なデータを基に、将来の見通しを立てるという考えです。

個別資産の期待収益率の計算方法

期待収益率=Σ{(実現しそうな収益率)×(各状況の収益率)}

個別資産の期待収益率は上記式によって求めることができます。イメージがしやすいように、もう少し具体的な事例を挙げて説明します。

例えば、ある株式は景気変動によって次のように収益率が変動するとします。

景気状況確率収益率
好景気 30% 25%
現状維持50%15%
不景気 20% 1%

上記のデータをもとに、この株式の期待収益率を計算すると、次のとおりです。

期待収益率 =25%×0.3+15%×0.5+1%×0.2=15%

つまり、この場合には株式の期待収益率は15%です。

ポートフォリオの期待収益率の計算方法

ポートフォリオ理論は、分散投資のメリットを数値にして説明するものです。

ポートフォリオの期待収益率は、次の2種類の方法で求めることができます。

各資産の期待収益率の加重平均

例えば、期待収益率25%の株式Aと、期待収益率15%の株式Bを、7:3の割合で投資する時、ポートフォリオの期待収益率は次のように求めます。

期待収益率 =25%×0.7+15%×0.3 =22%

しかし、この計算方法で求めた期待収益率を用いると、分散や標準偏差の数値に誤りが発生します。リスクまで計算するなら、次の計算方法をご利用ください。

各状況のポートフォリオの期待収益率の加重平均

例えば、円高になる確率が30%、不変の確率は50%、円安になる確率が20%となる株式の為替相場があります。

この為替相場で、株式Aの収益率は円高で25%、不変で5%、円安で1%とします。また、株式Bの収益率は円高で1%、不変で15%、円安で25%とします。

為替相場確率A 収益率B 収益率
円高0.325%1%
不変0.55%15%
円安0.21%25%

株式Aに70%、株式Bに30%の資産を投資する場合、円高・不変・円安の各状況のポートフォリオの収益率は次のとおりになります。

円高:25%×0.7+1%×0.3=17.8%
不変:5%×0.7+15%×0.3=8%
円安:1%×0.7+25%×0.3=8.2%

次に、各状況の発生確率の加重平均により、ポートフォリオの期待収益率を求めることができます

期待収益率 =17.8%×0.3+8%×0.5+8.2%×0.2 =10.98%

今回は異なる数値を用いて計算をしましたが、同一のデータであればどの計算式で求めても、同じ期待収益が算出されます。

このような具合に期待収益率はあらゆる場面で役立つものです。必ず身に着けた上で投資、M&Aを行いましょう。

スポンサーリンク