資産運用には多くの運用方法がありますが、よく混同してしまいがちなのが元本保証と元本確保です。
元本保証とはどんなものなのか、また、元本保証や元本確保の違いはどのようなところにあるのか、きちんと理解できていますか?
どちらが自分に合ったものなのか判らないうちに、安易に資産運用をしてしまい後悔しないよう、これらの違いをきちんと理解しておかなければなりません。
はじめて資産運用をしたいと考えている方にも、元本保証と元本確保の違いについて知っていただき、自分に合った資産運用ができるように紹介していきたいと思います。
「元本保証」とは
そもそも、元本とは「投資や預金の元々のお金のこと」を言います。
例えば、300万円を投資して500万円になったとします。この時の元本は300万円となります。
元本保証とは、この300万円の「元本から減らないと契約相手が保証する」という意味です。
しかし、元本保証でも保証できないことが多々あります。
投資話を持ち掛けられ、元本保証だからと安心して投資をしてしまったとします。その後、投資相手が倒産してしまうと、元本保証は何の効果も得られないものになってしまいます。
元本保証は投資家にとっては安心して投資するための判断材料ですが、その保証は強いものではなく、保証してくれる確証がなければ意味のある保証にはなりません。
そのため、元本保証は出資法により、銀行・郵便局・信用金庫・信用組合など信用のある限られた業者以外の使用を禁じれています。
「元本確保」との違い
元本確保とは、「満期に最低限元本を払い戻せる方針で運用されている金融商品」のことであり、元本保証とは全く別物となっています。
例えば、元本確保の商品を100万円投資するとします。その内、ハイリスクハイリターンの商品とローリスクローリターンの商品を組み合わせて投資することによって、ハイリスクの商品が仮に目減り(価値が下がること)してもローリスクの商品で最終的には100万円までカバーするという仕組みです。
このように、元本の全額を保証しているものではありませんが、元本の金額を確保できるような仕組みになっているのです。
よって、ローリスクだけの元本保証の資産運用よりもハイリスクも組み合わせることによってハイリスクの商品がうまくいけばハイリターンが望めますし、ハイリスクの資産運用のみをするよりも安心です。
しかし、説明が不十分な商品を選んでしまうと利益を得られない事態に陥ってしまうこともあります。
逆に、説明が十分な商品は資産運用の知識が浅い人でも理解できる商品も多いため安心して投資ができます。
「元本保証」と「元本割れ」の関係
元本割れとは、投資や定期預金と言った金融商品の注意書きなどでよく目にします。運用している商品などの価値が下がったりして、元本を下回り、損をしてしまうことです。
例えば、100万円で1万ドル(アメリカドル)を買い、投資などをして失敗や成功を繰り返して、1万ドルまで戻しました。
もうドルでの取引をしないので日本円に戻したら、80万円になってしまいました。
この様に、為替レートの影響で、外資から円に交換する際に元本割れしてしまうことがあります。
銀行預金の中でも外資預金・外資定期預金は元本保証の対象外となるので、注意が必要です。
元本確保型の金融商品がもつ、元本割れの可能性
元本確保型の金融商品を運用した際に、元本割れをしてしまう可能性があります。それは、満期まで換金を待たずに途中で換金してしまったときです。
元本確保は、商品を組み合わせて投資することによって、ハイリスクの商品が目減りしてもローリスクの満期にはその分までカバーするという仕組みで成り立っています。
そういった性質上、途中で換金してしまうと、ハイリスクの商品が目減りしてしまった際に、ローリスクの利益が損失分を補うには時間が足りず、元本を下回った状態になってしまう可能性があるためです。
まとめ
元本保証とはどのような意味か理解していただけたでしょうか?意味が分かってしまうと、元本確保とまったくもって別物だったことが分かったと思います。
どのように元本を下回らない(元本割れ)ようにするか紹介してきました。
自分に合った資産運用はどちらでしたか?
ゆっくりでも確実に利益を得たいなら元本保証の運用。ハイリスクとローリスクを組み合わせて、ハイリスクがうまくいくのを期待しつつ、駄目だったらローリスクが守ってくれる元本確保の運用。
それぞれの資産運用の特徴を知っておくことで、賢く資産運用できるのではないでしょうか。