年金制度改革について。なぜ改革が必要なのか

前回の内容:【年金制度改正を学ぶ】公的年金制度の概要とその利点について

私たちが日々の生活を送る上で、潜むリスク多く存在し、様々な要因で自立した生活を送るのが困難になる可能性があります。

かつては、成人し社会人となった子が高齢の親と同居や、仕送りをするなどを行い、家族全体で親の扶養をしていました。ですが、現在においては、家族間で親の面倒を見るのが困難になっています。

そこで、社会全体で高齢者を支えるために「公的年金制度」が策定されました。

公的年金制度は、以下の特徴を持つ制度です。

  • 一生涯年金を受給できる
  • 年金額は決まっているので高齢生活の計画を立てやすい
  • インフレにあわせて年金額が増額する
  • 死亡や障害を負った時に補償があるなど

制度を維持するための「年金制度改革」

しかしながら、世代間の支え合いで成り立っている公的年金制度は、少子高齢化が進むに連れて、年金受給者が増えて支える人が減っていくので、現状の年金制度そのままでは維持することができなくなります。

そこで、年金制度改革が必要になってきました。
公的年金制度は、5年ごとに見直しが行われ、制度の見直しにあわせて、年金改革法が成立しています。

年金制度改革の流れ

今の公的年金制度は、昭和17年(1942年)に始まり、昭和48年(1973年)までは、制度の拡充・充実に向けた改革が行われました。

昭和60年ごろからは、少子高齢社会に対応するための制度改革が行われてきました。主な改定を下表に示します。

改革年度改革の主な内容
昭和60年(1985年)基礎年金の導入
平成6年(1994年)厚生年金(定額部分)の支給開始年齢の引上げ
平成9年(1997年)三共済(JR共済・JT共済・NTT共済)を厚生年金に統合
平成12年(2000年)厚生年金(報酬比例部分)の支給開始年齢引上げ、物価スライド
平成14年(2002年)農林共済を厚生年金に統合
平成16年(2004年)保険料率の段階的引上げ、マクロ経済スライドの導入
平成21年(2009年)基礎年金国庫負担割合2分の1の実現
平成24年(2012年)基礎年金国庫負担割合2分の1の恒久化、受給資格期間短縮
平成28年(2016年)マクロ経済スライドの見直し、賃金・物価スライドの見直し

基礎年金保険料を加入者と国庫負担を折半にする公的年金制度は、世代間の支えあえだけでなく全員で支える少子高齢社会への対応がされています。

国庫負担割合2分の1に加えて これまで年金制度を大きく改変したのは、以下の3つです。

  • 平成16年の年金改革法「100年安心年金」
  • 平成28年の年金改革法「公的年金制度の持続可能性の向上」
  • 令和2年に予想される年金改革法「支え手の拡大」

それぞれどのような改変がされたのか、まずは平成16年の年金改革法「100年安心年金」から詳しく説明していきます。

次回:平成16年年金改革法「100年安心年金」について