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豊かで楽しい生活を送るために、お金も重要ですが文化も重要で、税金を使って整備・支援が行われています。
今回は、文化行政を担当する文化庁を紹介します。
文化庁とは
文化庁は、文化の振興及び国際文化交流の振興を業務とする文部科学省の外局で、1968年(昭和43年)に発足しました。
以下に示すような文化行政の業務を行う官庁です。
芸術文化
文化庁は、芸術文化を振興するため,音楽,映画,舞踊等の舞台芸術創造活動への支援,若手をはじめとする芸術家の育成,子供の文化芸術体験の充実,地域の芸術文化活動への支援,文化庁メディア芸術祭の開催をはじめとした映画やアニメーション,マンガ等のメディア芸術の振興等を行っています。
- 地域の文化活動支援
- 日本映画の振興
- メディア芸術の振興・芸術家等の人材育成
- 全国高等学校総合文化祭、文化部活動などの芸術教育・文化部活動支援
- 国際芸術交流への支援や優れた現代美術の海外発信の促進
- 企業等による芸術文化活動への支援(メセナ活動等)
- 障害者の文化活動の推進など
文化財・著作権保護
文化財については、貴重な国民的財産である文化財を国宝,重要文化財,史跡,名勝,天然記念物等として指定し、一定の制限を課し保存修理や防災施設の設置,史跡等の公有化等に対する補助など文化財の保存を行っています。
著作物については、その円滑な利用・流通を促進し,著作権に関する教育事業などを行っています。
また,海外における海賊版対策や著作権に関する国際的なルール作りへの参画など,国際的な課題への対応も行っています。
国際文化交流・国際貢献
国際文化交流・国際貢献として、以下に示すような事業を行なっています。
- 日中韓3か国で文化芸術イベントを実施する「東アジア文化都市」
- 文化人・芸術家等を海外に派遣し,日本文化の発信やネットワークを行う「文化交流使」
- 国内外の芸術家の交流を支援する「アーティスト・イン・レジデンス事業」など
アーティスト・イン・レジデンス(Artist-in-residence program)は、各種の芸術家たちを一定期間ある土地に招聘し、その土地に滞在しながらの作品制作を行う事業です。
宗教法人と宗務行政
宗教法人の認証事務や宗教に関する資料の収集などを行っています。
博物館への支援
博物館の振興のために、以下に示すような支援事業を行なっています。
- 博物館に関する研修
- 展覧会のために海外から借り受けた美術品の損害を国が補償する制度
- 展覧会のために海外から借り受ける美術品等への強制執行等を禁止する制度
- 美術品所有者に美術館における公開の促進
- 重要文化財等の公開にふさわしい施設の承認など
行事・シンポジウム
文化庁は地震や・実施団体と協力して行事・シンポジウムを開催・情報提供を行っています。
例として、2019年9月には、以下の行事・シンポジウムが開催されています(毎月開催されています)。
- 国宝高松塚古墳壁画修理作業室の公開(第27回)
- 国宝キトラ古墳壁画の公開(第13回)
- 文化庁主催シンポジウム「グローバル化する美術界と『日本』:現状と未来への展望
文化庁予算
文化庁の2019年度の予算は1,167億円で、前年度に比べ85億円(7.8%)増額しています。
内訳は、以下の通りになります。
文化資源の”磨き上げ”による好循環の創出
予算は171.1億円で、以下に示すような事業に使われます。
- 魅力ある文化資源コンテンツの創出・展開
- 文化資源を活用した観光インバウンドのための 拠点形成と国際的発信など
文化芸術立国に向けた文化芸術の創造
予算は246.2億円で、以下に示すような事業に使われます。
- 文化芸術創造活動への効果的な支援
- 新たな時代に対応した文化芸術人材の育成及び子供たちの文化芸術体験の推進
- 我が国の文化芸術の創造力向上と新たな価値の創出など
文化財の確実な継承に向けた保存・活用
予算は518億円で、以下に示すような事業に使われます。
- 文化財の適切な修理等による継承・活用等
- 文化財の公開活用、伝承者養成、鑑賞機会の充実等
- 文化財防衛のための基盤の整備など
文化発信を支える基盤の整備・充実
予算は343.7億円で、以下に示すような事業に使われます。
- 国立文化施設の機能強化
- 国立文化施設の整備
- 外国人に対する日本語教育の充実等など