増加する税金と社会保障費。家族や親を守る社会保障とは




令和元年の一般会計歳出額は、101兆4,571億円です。
この内、社会保障費が34兆593億円で歳出総額の33.6%を占める最大の予算項目です。
社会保障費は、地方交付税交付金等と並び増加率が3.0%と最大の伸びとなっています。

国の社会報償費

社会保障とは

社会保障は、私たちが安心して生活していくために必要な「医療」、「年金」、「福祉」、「介護」、「生活保護」などの公的サービスです。

この公的サービスを実施する費用が社会保障費で、医療費については以下に示すようになっています(平成28年度のデータです)。

  • 国民医療費の公費負担額総額:16兆2,840億円
  • 国民一人当たり:約12万8,288円

日本の社会保障は、1960年代には失業対策や生活保護などが中心でしたが、その後、次第に医療保険や年金制度などの社会保険や、老人福祉を中心とする社会福祉、介護などに重点が移ってきています。

社会保障費の構成

平成30年度の社会保障費の構成は、以下に示すようになっています。

  • 医療:11兆8,079億円(35.8%)
  • 年金:11兆8,036億円(35.8%)
  • 介護:3兆1,153億円(9.4%)
  • 福祉・その他:6兆2,464億円(18.9%)
  • 社会保障費合計:32兆9,732億円

これらの費用の内訳は、下表のようになります。

社会保障予算項目予算
1.医療11兆8,079億円
(1)国民健康保険3兆3,834億円
(2)全国健康保険協会管掌健康保険1兆1,803億円
(3)後期高齢者医療給付費負担金等5兆833億円
(4)医療扶助費等負担金1兆4,112億円
(5)その他7,497億円
2.年金11兆8,036億円
(1)厚生年金9兆7,991億円
(2)国民年金1兆8,207億円
(3)福祉年金32億円
(4)その他1,807億円
3.介護3兆1,153億円
(1)給付費負担金等2兆4,079億円
(2)2号保険料国庫負担3,665億円
(3)その他3,408億円
4.福祉・その他6兆2,464億円
(1)生活扶助費等負担金1兆4,177億円
(2)児童手当・児童扶養手当1兆3,690億円
(3)障害福祉サービス1兆5,105億円
(4)子どものための教育・保育給付8,323億円
(5)雇用保険251億円
(6)その他1兆919億円

身近な社会保障

お住いの自治体も、多くの社会保障制度があります。
東京の自治体を例に紹介します。

医療

医療費の3割が自己負担ですが、以下の場合に軽減されます。

高齢受給者証

国民年金加入者で70歳以上75歳未満の方は、保険証と一緒に「高齢受給者証」を提出します。

自己負担金は2割になります。
昭和19年4月1日以前に生まれた方は、1割です。
なお、現役並み所得者は3割りです。

高額療養費

自己負担限度額を超えた分は、払い戻しされます(申告が必要です)。
目安は、以下のようになります(70歳を超えるとさらに低額になります)。

  • 非課税世帯:月額35,400円(多数該当者は24,600円)
  • 保険料算定基礎額210万円以下:月額57,600円(多数該当者は44,400円)
  • これ以上の所得者は、段階別に最高252,600円

「国民健康保険限度額適用認定証」の交付を受けると、高額医療費の自己負担額までの支払いになります。
保険料の滞納があると交付されません。

多数該当は、過去12ケ月以内に高額療養費に4回以上該当した場合です。
この他、8月から翌年7月の1年間に国民健康保険と介護保険の自己負担額が基準を超えると超えた額が払い戻される「高額介護合算療養費制度」もあります。

その他

加入者が出産したとき、一時金42万円を受け取れます。
加入者が死亡して葬儀を行うと、葬祭費5万円を受け取れます。

後期高齢者医療制度

後期高齢者医療制度は、75歳以上の高齢者が加入する医療制度です。
この制度は、加入者の保険料に国や都道府県からの補助金(税金)、現役世代からの支援金で運営されます。

医療費の自己負担額は1割ですが、一定以上の所得者は3割になります。

介護

40歳になると介護保険に加入します(第2号被保険者)。
65歳(第1号被保険者)になり介護が必要と認定されると介護サービスを利用できます。

第2号被保険者も、加齢による病気(特定疾病)が原因で介護が必要と認定されると介護サービスを利用できます。

介護サービス

介護保険には、以下に示す介護サービスがあります。

  • 訪問介護・通所介護などの居宅サービス
  • 介護老人福祉施設などに入居する施設サービス
  • 認知症対応共同生活介護などの地域密着型サービス
  • 福祉用具の購入費の支援などのその他サービス

居宅サービスの支給限度額(月額)

介護区分により限度額が決まっています。
自己負担学は利用料の1割ですが所得により2割りになります。

  • 要支援1:5万30円
  • 要支援2:10万4,730円
  • 要介護1:16万6,920円
  • 要介護2:19万6,160円
  • 要介護3:26万9,310円
  • 要介護4:30万8,060円
  • 要介護5:36万650円

高額介護サービス費

サービス利用額の自己負担月額が基準を超えると、超えた分支給されます。
基準額は、以下になります。

  • 一般:3万7,200円
  • 現役並み所得者:4万4,400円
  • その他:所得により1万5,000円から2万4,600円

医療と介護の両サービスを世帯に負担を軽減す「高額医療・高額介護合算制度」があります。

介護費用の支払いが困難な低所得者を対象に、保険から高額介護サービス費が支払われるまでの間、高額介護サービス費の見込み額を限度に資金を貸し付ける「高額介護サービス費の貸付制度」があります。