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豊かで楽しい生活を送るために、お金も重要ですが観光も重要で、税金を使って整備・支援が行われています。
今回は、観光行政を担当する観光庁を紹介します。
観光庁とは
観光庁は、日本の「観光立国」を業務とする文国土交通省の外局で、2008年(平成20年)に発足しました。
以下に示すような観光行政の業務を行う官庁です。
文化庁の2019年度の予算は711億06百万円で、観光が全国的に注目されているからか前年度に比べ2.21倍になっています。
ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備
ストレスフリーで快適な旅行環境を整備し、待ち時間の短縮を図る事業です。
予算は、278億65百万円で、以下に主な事業を紹介します。
円滑な出入国の環境整備
予算は70億63百万円で、以下の整備に使われます。
- 顔認証ゲート及びバイオカートの整備
- ディープラーニング技術を活用した個人識別情報システムの導入
- 空海港ターミナルに審査端末機器を増設
- デジタルサイネージを活用した情報発信など
バイオカートは、審査ブース前に並んでいる間に顔写真の撮影や指紋採取を済ませることができる機器です。
バイオカートの導入により、厳格かつスピーディーな入国審査が可能になります。
デジタルサイネージは紙に変わる新しい情報伝達媒体で、電子看板、電子広告と呼ばれます。
文化庁・環境省・JNTO(外国人旅行者の誘致活動を行う海外に設置されている日本政府観光局)等が作成する観光情報をデジタルサイネージにより情報発信が行われます。
円滑な通関等の環境整備予算
税関検査に最先端技術を導入することにより、ストレスフリーで円滑な入国と待ち時間の短縮を図る事業です。
予算は、空港・港湾あわせて30億11百万円です。
空港では、以下の整備に使われます。
- 事前にアプリで携帯品を電子申告した場合に利用できる電子申告ゲート
- 高性能機器による迅速な検査など
港湾では、以下の整備に使われます。
- パスポート情報の読取りによる迅速化(現在は手作業)
- ストレスフリーな身辺検査・携帯品検査
- 旅客ターミナルのない港での移動式検査施設(現在は船内での検査で混雑)など
FAST TRAVELの推進
空港サービスをワンストップ化し手続きの迅速化を図る事業です。
予算は35億円で、以下の整備に使われます。
- 自動チェックイン機
- 自動手荷物預け機
- 検査現場のスマートレーン
- 自動搭乗ゲート
- 手荷物輸送等の円滑化など
公共交通利用環境の革新等
空港・港湾から観光地までの公共交通機関の整備を図る事業です。
予算は55億63円で、以下の整備に使われます。
- 事故・災害時等を含む多言語対応
- 無料WiFiサービス
- トイレの洋式化
- キャッシュレス決済対応など
我が国の多様な魅力に関する情報の入手の容易化と観光産業の基幹産業化
予算は148億76百万円で、以下に主な事業を紹介します。
ICTの活用等による先進的プロモーションの実施
予算は51億49百万円で、ICT・ビッグデータ等の分析・活用による個人の関心にあわせた的確な情報発信が行われます。
戦略的な訪日プロモーションの実施
予算は90億49百万円で、2020年訪日外国人旅行者数4000万人等の目標達成に向けた以下に示すプロモーションが実施されます。
- 国別戦略に基づくプロモーション
- 新たな市場からの誘客促進に向けた取組
- 日本政府観光局(JNTO)の体制強化など
地域固有の文化、自然等を活用した観光資源の整備等による地域での体験滞在の満足度向上
予算は224億41百万円で、以下に主な事業を紹介します。
文化資源(文化財等)を活用したインバウンドのための環境整備
予算は100億円で、以下に示すような事業に使われます。
- 日本博を契機とした観光コンテンツの拡充
- 先端技術(VR、AR)を駆使した日本文化の魅力発信
- 生きた歴史体感プログラム
- 文化財多言語解説整備事業など
国立公園のインバウンドに向けた環境整備
予算は50億80百万円で、以下に示すような事業に使われます。
- 訪日外国人の満足度を向上させる国立公園の磨き上げ
- インバウンドに向けた新たなプロモーションなど
東北の復興
東日本大震災から東北の復興を支援する事業で、復興枠の予算です。
2019年は45億10百万円で、前年度に比べて約1%減額しています。
この予算は、以下に示すような事業に使われます。
- 東北観光復興対策交付金
- JNTOによる東北観光復興プロモーション
- 福島県における観光関連復興支援事業
JNTOは、外国人旅行者の誘致活動を行う海外に設置されている日本政府観光局です。
訪日外国人
観光は豊かで楽しい生活のテーマですが、地位経済や観光産業にも恩恵があります。
訪日外国人を例にとると旅客数と経済効果(旅行消費額)は、以下に示すようになっています(2020年と2030年は目標です)。
年 | 旅行者数 | 旅行消費額 |
---|---|---|
2012年 | 836万人 | 1兆846億円 |
2018年 | 3,119万人 | 4兆5,064億円 |
2020年 | 4,000万人 | 8兆円 |
2030年 | 6,000万人 | 15兆円 |