私たち国民には「税金を納める義務(納税の義務)」がありますが、納めた税金がいったい何に使われているのか、知っていますか?
税金の使い道を知れば、納税への意識も変わってきます。
この記事では、税金の主な使い道を解説していきます。
税金と私達の生活は、どれくらい密接なものでしょうか?
私たちが恩恵の受ける税金の使い道には、身近過ぎて当たり前になっているものがたくさんあります。
上下水道が整備されている事で日常的にお風呂やトイレが使えるのも税金のおかげです。
他にも公道の整備や、警察、消防が無償で活躍できるのも税金のおかげなんです。
税金には国税と地方税の2種類がある
税金には国が課税の主体となる「国税」と、市区町村など地方公共団体が課税の主体となる「地方税」の2種類があります。
所得税・消費税、相続税などは国税、住民税は地方税に分類され、それぞれ異なった使い方をされていることを覚えておきましょう。
税金の種類・分類や、そもそも税金にはどのような意味があるのかについては以下の記事でも詳しく解説しています。
会社員が知っておきたい税金の分類方法と種類とは?どうしてこんなに多いの?
そもそも税金とは?主な税金の種類と仕組みを解説
国税の使い道:一番多いのはなに?
国税は、基本的に私たちの生活と安全を維持するために使われます。
医療費の補助や道路の整備、教育や研究の援助などです。
私たちの生活にあまり馴染みがない使い道ですと、海外援助費などがあります。
国税の使い道を以下に示します。
- 健康や生活を守る社会保障費:33.7%
- 国債の返済や利子の国債費:22.6%
- 地方を支援する地方交付金等:14.8%
- 道路や住宅などを整備する公共事業費:5.6%
- 教育や科学技術の研究の文教・科学振興:5.0%
- 国の防衛のための防衛費:5.0%
- 地方を支援する地方交付金等:14.8%
- 海外援助などの経済協力費:0.5%
- その他:8.1%
最も多く使われているのは社会保障関係費です。医療・年金・福祉・介護などに関する公的サービスの費用と言い換えることもできます。
急速に少子高齢化が進んだことが、社会保障関係費が膨れあがっている最大の要因です。現在は税収だけではなく借金によって賄っています。
支出の年間総額は、令和4年の予算で107兆5,964億円です。この金額は、税金(青の多収入を含む)と国の借金(国債)でまかなわれます。
※財務省:令和4年度一般会計歳出・歳入の構成
地方税の使い道:自治体によって内訳が異なる
地方税も基本的に私たちの生活と安全を維持するために使われますが、地方税の使い道は、国税よりもさらに身近です。
例として東京都と新宿区の税金の使い道をご紹介します。
東京都の税金の使い道
東京都の税金の使い道を以下に示します。
令和4年度の総額は、7兆8,010億円です。
- 福祉と保健:29.3%
- 教育と文化:20.2%
- 警察と消防:15.6%
- 都市の整備:14.5%
- 労働と経済:9.9%
- 企画・総務:5.8%
- 生活環境:4.8%
以上は一般会計です。
この他に以下の使い道があり、総額では約15.3兆円になります。
- 都営住宅の管理などの特別会計:5.8兆円
- 上下水道などの公営企業会計:1.7兆円
※東京都財務局「令和4年度 東京都予算案の概況」
もしも税金制度が無くなったら、世の中はどのように変わりますか?
現在無償で受けているサービスが有料になる可能性が非常に高いです。
実際アメリカなどでは、救急車を呼んだだけでも多額の費用が発生します。
更にはインフラのメンテナンスが滞り、道路・下水・電線などのライフラインが劣化していく地域も当たり前のように出てくると思われます。
新宿区の税金の使い道
新宿区の税金の使い道を以下に示します。
令和元年度の総額は、1,508億円です。
- 福祉費:27.7%
- 子ども家庭費:19.4%
- 健康費:12.3%
- 教育費:7.8%
- 総務費:7.6%
- 土木費:7.1%
- 環境清掃費:5.1%
- 地域振興費:4.6%
- 文化観光産業費:4.2%
- 諸支出金:2.2%
- 公債費:1.5%
- 議会費:0.4%
- 予備費:0.2%
以上は一般会計です。
この他に以下の使い道があり総額では2,205億円になります。
- 健康保険特別会計:369億円
- 介護保険特別会計:270億円
- 後期高齢者医療特別会計:80億円
※新宿区「令和4年度 予算の概要」
まとめ
税金というと、使い道がわからないイメージがありますよね。
しかし実際には、税金は私たちの生活を維持するための様々な部分で活用されています。
そして、予算はホームページで見ることができます。
自分が納めている税金が何に使われているのか、一度詳しく調べてみてはいかがでしょうか。