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2019年10月から消費税が増税されますが、なぜ「税金」が必要なのでしょうか。
なぜ「納税の義務」という憲法があるのでしょうか。このページで税の必要性や使い道について考えてみましょう。
そもそも私たちは、自分や家族だけで生活しているのではありません。
社会の中で生活しており、そのためには以下に示すようなことが少なからず必要になります。
- 仕事や収入手段(年金など)
- お金や資産
- 将来への備え
- 教育・学習
- 健康・医療・介護
- 日常生活に必要なインフラ
- 突然のリスクへの対応
- 国防や災害への安全性など
これらは、全体が関連して回っていくのでシステム(公的サービス)と言えます。
このシステムの構築・運用をしているのが国と自治体で、その元となる費用が税金になります。
税金は国に収める国税と地方公共団体に収める地方税があります。
それぞれどういった使い道となっているのでしょうか。
税金はどのように使われているのか「国税」
国税についてどのようなところに使われているのか紹介します。
金額と比率は令和元年の予算で、総額は101兆4,571億円です。
使われる分野 | その内容 | 金額 | 比率 |
---|---|---|---|
社会保障費 | 健康や生活を守る費用 | 34兆9,593億円 | 33.6% |
公共事業費 | 道路や住宅などの整備 | 6兆9,099億円 | 6.8% |
教育費 | 教育や科学技術の発展 | 5兆6,025億円 | 5.5% |
防衛費 | 国の防衛 | 5兆2,574億円 | 5.2% |
その他 | 上記以外の費用 | 9兆6,326億円 | 9.5% |
地方交付税 | 地方財政の調整 | 15兆9,850億円 | 15.8% |
国債費 | 返済と利子 | 23兆5,082億円 | 23.2% |
税金はどのように使われているのか「地方税」
地方税について東京都を取り上げ、どのようなところに使われているのか紹介します。
金額と比率は平成29年度の予算で、総額は6兆9,540億円です。
使われる分野と内容 | 金額 | 比率 |
---|---|---|
福祉と保険 | 1兆2,017億円 | 17.3% |
教育と文化 | 1兆1,073億円 | 15.9% |
労働と経済 | 4,815億円 | 6.9% |
生活環境 | 2,014億円 | 2.9% |
都市の整備 | 8,821億円 | 12.7% |
警察と消防 | 8,957億円 | 12.9% |
企画・総務 | 2,945億円 | 4.2% |
その他税関連経費等 | 1兆8,898億円 | 27.2% |
税金をどのくらい納めているか「国税」
国税については、令和元年の予算で、総額は101兆4,571億円です。
税金の種類 | その内容 | 金額 | 比率 |
---|---|---|---|
所得税 | 収入にかかる税金 | 19兆9,340億円 | 19.6% |
法人税 | 会社の利益にかかる税金 | 12兆8,580億円 | 12.7% |
消費税 | 物やサービスにかかる税金 | 19兆3,920億円 | 519.1% |
酒税 | お酒にかかる税金 | 1兆2,710億円 | 1.3% |
相続税 | 相続にかかる税金 | 2兆2,320億円 | 2.2% |
たばこ税 | たばこにかかる税金 | 8,890億円 | 0.9% |
公債金 | 国の借金 | 32兆6,605億円 | 32.2% |
その他 | その他の税や収入 | 9兆9,176億円 | 9.8% |
国の最大の収入は国債という国の借金ですが、税金としては10月から10%の税率になる消費税が多くなると予測されます。
税金の始まり
日本の税金に関する最も古い記録は、3世紀ごろの卑弥呼が治めていた邪馬台国で邪馬台国で税が納められていたと魏志倭人伝に記載されているそうです。
税金という概念があったかどうか分かりませんが、複数の人が集団生活を始めると共同の設備や作業が必要になり、労力や物を提供するようになったと思われます。
集団が大きくなると、これらが決まりになり、税金の始まりとなりました。
制度としては、645年の「大化の改新」で土地や人民を国のものとするなどの方針が示されてました。
701年の「大宝律令」で租・庸・調という税や労役をかける税の仕組みができました。
- 租:農民の納める税で収穫の3%
- 庸:京都での労働(年間10日)あるいは布を納める
- 調:布や絹などの諸国の特産物を納める
その後(平安時代)は、荘園領主が領内の農民に納めさせた米(年貢)が中心になりましたが、室町時代に商業活動が発展し商工業者も税金を納めるようになりました。
街道に設けられた関所では、通行税(関銭)が徴収され、税金の種類が増えていきました。
現在の税金制度は、1946年に日本国憲法が公布され、教育、勤労にならぶ国民の義務の一つとして「納税の義務」が定められました。
翌年1947年には、納税者が自主的に自分の所得や税額を計算して申告・納税する申告納税制度が導入され、今日につながる税制度の基本ができました。
つまり、税金は、国の始まりとともにあるといえます。
まとめ
自分の生活の身の回りで、収められた税金が使われています。
ゴミが出れば、いつも通りに回収してくれる。
火事がおきれば、消防車が直ちにきて消火活動をしてくれる。
けが人が出れば、救急隊がかけつけてくれる。
事件があれば警察が出動してくれる。
日々の交通の安全も税金によって守られています。
私たちが今安全に暮らしていけているのは、納められた税金がきちんと充てられているからだと理解できます。
これらのことを理解することで、「納税の義務」という憲法の重要性、税金の必要性が少しでも感じ取れたら、税金を納めることに対する感覚が変わってくると思います。