生命保険(定期保険)と年金保険の違い。どちらも加入すべき?




この記事の監修

古田島 三和(こたじま みわ)

古田島 三和(こたじま みわ) ファイナンシャルプランナー

アールトラストFP株式会社

一部上場企業に勤務時代、代表の小川の個別マネー相談で大きな衝撃を受け、現職へ。 現在はお金を育て確実に残すための財務戦略ファイナンシャルプランナーとして、クライアント様の「お金を残し増やす」お手伝いをしている。資産運用、特にオフショアを使った海外投資を得手としている。
趣味は、ショッピング・ライブ・美味しいものを食べること。

生命保険は多数の人(保険契約者)が保険料を出し合い、保険事故(保険金支払い事由)が生じたときにお金で備える制度で、以下に示す3種類の保険があります。

  • 加入者が死亡・高度障害状態になった時のみ保険金を受給する死亡保険
  • 加入者が契約に定めた時期まで生きていたときに受給できる生存保険
  • 死亡保険と生存保険を組み合わせた生死金剛保険

生命保険には、上記の3種類の保険がありますが、ここでは、死亡保険として定期保険(定期保険以外にも医療保険などがあります)を、生存保険として年金保険を取り上げて紹介します。

生死混合保険には、保険期間中に加入者が死亡した場合は死亡保険金を、満期時には満期保険金を受け取る養老保険があります。

定期保険

定期保険は、加入者が死亡・高度障害状態になったときのみ保険金を受給する死亡保険です。

特徴

定期保険は、契約した日から死亡・高度障害状態になったときに契約した保険金の全額を受給できる保険です。

貯蓄の場合は必要な金額(定期保険の保険金)を貯めるには長期間かかりますが、定期保険は死亡などの支払事由が生じるとすぐ保険金を全額(あるいは年金)で受給でき、経済的損失に対応できます。

主な特徴に、以下があります。

  • 保険事故(事由)が発生するとすぐ保険金を受給
  • 保険期間を超えて保険事故がなければ保険金の受給なし(掛捨て保険)
  • 掛捨なので保険料は安価(保険料の払込総額は保険金より少額)
  • 途中で現金化(解約返戻金)ができないか、できても少額など

定期保険のメリットは何ですか?

掛け捨てのため、保険料が安く、万が一に備えることができる点です。大きな保険料の割には保険料が安価に設定されているため、少額でいざという時に備えることができます。

保険例「ソニー生命の平準定期保険」

この保険は、以下の特徴を持つ保険です。

  • 無理のない負担で大きな保障
  • 喫煙しないと保険料割引
  • 保険会社で定める身体障害の状態になると以後の保険料の払込不要
  • 三大疾病(がん、急性心筋梗塞・脳卒中)の保険料免除特約
  • 自動更新が可能など

以下に示す契約例で計画例の保険料を紹介します。

  • 契約年齢:35歳
  • 保険金額:5,000万円
  • 保険期間・保険料払込期間:60歳まで
  • 最長80歳まで自動更新(保険料払込免除特約を付加すると70歳まで)

月額保険料は、以下になります。

  • 男性:15,350円、非喫煙者は12,500円
  • 女性:11,450円、非喫煙者は9,600円

この保険は、高額の保障をする保険です。

保険期間が10年、保険金が500万円ぐらいですと35歳の月額保険料は1,000円以下になります。

定期保険がおすすめなのはどんな人ですか?

定期保険は一定期間だけ高額の保障が必要な場合に役立つ保険ですので、子供が誕生したばかりのご家庭を持つ方や、自営業になって収入が不安定な期間などにおすすめです。

年金保険

年金保険は、保険料を積立て契約時に定めた年齢になると保険金を年金として受給する保険です。

特徴

令和元年5月に公的年金だけでは老後の生活費に2,000万円が不足するという金融庁のレポートが出て、老後資金作りの関心が高まっています。

個人年金保険は、公的年金に加えて老後生活をサポートする保険です。

主な特徴に、以下があります。

  • 契約時に定めた年齢(60歳か65歳ぐらい)に達しると年金を受給
  • 年金受給期間は、有期(10年など)か終身を選択
  • 加入年齢は、自由だが保険による制約あり
  • 終身年金は有期年金に比べ高額
  • 掛捨てでないが途中で現金化(解約返戻金)すると払込保険料程度

年金保険のメリットは何ですか?

契約時に年金額が確定する個人年金保険(定額型)には、「老後の計画が立てやすい」というメリットがあります。

必要に応じて契約内容を自由に選ぶことができるため、公的年金で足りない部分を補うように計画することができます。

保険例「ソニー生命の5年ごと利差配当付「個人年金保険」

この保険は、以下の特徴を持つ保険です。

  • 老後の資金を計画的に準備できる
  • 年金支払期間は、有期(10年など)・終身を選択
  • 加入年齢は、15歳から(最終年齢は年金種類で50歳、60歳)
  • 高度障害状態になると以後の保険料払込不要
  • 年金に加えて配当金が付き年金が増額する可能性

以下に示す契約例で計画例の保険料を紹介します。

  • 加入年齢:35歳
  • 年金額:100万円(年間)
  • 年金種類:確定年金(年金支払期間10年)
  • 年金支払開始年齢:60歳
  • 保険料払込期間:60歳まで

以上のケースでは、月額保険料男性32,010円、女性31,990円です。

確定年金なので、生死に関わらず年金支払期間(このケースでは10年)年金を受け取れます。年金を受け取る前に死亡すると、それまでに払い込んだ保険料が死亡給付金として受取人に支払われます。

終身年金の保険料は、低金利の今の時代では高額になります。

このため、外貨建や投資信託選択型の保険や年金受給前の死亡保険金・解約返戻金を抑えて長生きした人に回すトンチン年金があります。

年金保険がおすすめなのはどんな人ですか?

年金保険は自動的に老後資金を貯めていくことのできる仕組みなので、貯蓄が苦手な方におすすめです。

また、ローリターンではありますが銀行に預けるよりは増やすことのできる金融商品なので、ローリスクで投資したいという方にもおすすめです。

定期保険と年金保険の違い・使い分け

定期保険は死亡など貯蓄では補えない大きな経済的損失に備える保険で、結婚時あるいは子育て時などの十分な貯蓄がないときには加入が必須な保険です。

一方、年金保険は公的年金では足りない高齢生活に備える保険です。

したがって、2種類の保険はその加入目的が異なり、2つを比べてどちらかに加入する保険ではなく、目的に応じて加入する保険で2つの保険に加入するケースが多くあります。

定期保険と年金保険は時期を分けて加入したほうがいいですか?

定期保険と年金保険はその加入目的が異なります。

定期保険と年金保険、2つを比べてどちらかに加入するのではなく、目的に応じて加入する保険であり、2つの保険に同時に加入するケースも多くあります。それぞれ必要なタイミングに加入されるとよいでしょう。

定期保険は掛け捨ての保険で、大きな保険金の割には保険料は安価に設定されています。
これに対して、個人年金保険は保険料を積立ていき、契約時に決めた年齢に達すると有期あるいは終身年金を受給します。

生活費は高齢年齢とともに減っていくことから生活費の備えとして期間の短い有期年金も意味があり、この場合は、医療や介護費用は、別途考慮する必要があります。

以前は、退職時(60歳)から年金受給時(65歳)までが多かったのですが、長寿時代を迎え終身年金が注目されているので、有効活用してみましょう。