老後の生活費は15万で足りる?貯金はいくらあれば安心できるのか実態に迫る。




この記事の監修

加藤 大樹(かとう ひろき)

加藤 大樹(かとう ひろき) ファイナンシャルプランナー

ライフマイスター株式会社
2013年〜2019年MDRT成績資格会員 相続診断協会認定 相続診断士 住宅ローン診断士 住宅金融普及協会認定 住宅ローンアドバイザー 日本プロカウンセリング協会認定 2級心理カウンセラー

平成20年当時、全国最年少の22歳で外資系保険会社にスカウトされ入社。その後、平成23年独立し乗り合い代理店へ参画。
資産運用相談、老後資金相談を得手として活躍している。

「老後にかかる生活費は、どれくらいかかるのか。」
「老後の生活費は、いくら準備しておけばゆとりある生活ができるのか。」

今は元気に働いていても、老後の生活に不安を抱えてしまう人は多いです。

老後を楽しく過ごしたいという気持ちは誰にでもあるでしょうから、自分の老後の生活についてしっかりと向き合う時間を確保していきましょう。

そこで今回のテーマは「老後の生活費は、いくらあれば足りるのか?」です。
ちなみに、老後の生活費は15万で足りるのでしょうか。

老後の生活にかかる費用

老後の生活にかかる費用について、一般的に言われているのが最低3000万円。

ゆとりのある生活を送りたいのなら、8000万円はあるとよいと言われています。
でも、実際にはどのくらいの生活費が老後に必要なのでしょうか?

60~69歳の世帯の平均消費支出は、290,084円

イメージがつきやすいように、具体的な数字を見ていくことにしましょう。
ここからは、総務省統計局家計調査報告(家計収支編)平成29年のデータをもとにお話をしていきます。
2人以上の世帯の消費支出を世帯主の年齢階級別にみると、以下のような結果になりました。

出典: 総務省統計局家計調査報告(家計収支編)平成29年

1世帯当たり1か月平均消費支出

40歳未満の世帯256,160円
40~49歳未満の世帯315,189円
50~59歳未満の世帯343,844円
60~69歳の世帯290,084円
70歳以上の世帯234,628円

上記の数字からも分かるように、働き世代ではなくても全くお金がかからないわけではなく、月々ある程度の支出は避けられないという状況です。

1世帯当たり1か月平均消費支出が、60~69歳の世帯は290,084円、70歳以上の世帯は234,628円ということなので、ざっくりと考えて夫婦2人で26万円は必要となってくるというわけです。

1人あたり約13万円は必要となってくるわけですから、公的年金の他にも貯蓄がとても重要であることが分かります。
つまり、退職してからの老後の生活が15年続くと考えれば、以下の計算式が成り立ちます。

①夫婦2人で1ヶ月26万円×12ヶ月=年間で312万円の支出

退職してからの老後の生活が15年続くと考えると

②312万円×15年=老後の生活15年で出ていくお金は4680万円。

もちろん、イレギュラーなお金もかかるでしょうから、実際にはもっと必要となります。

  • 子供や孫への援助費用
  • 老人ホームへの入居費用
  • ヘルパー費用
  • 入院費用
  • 通院費

リアルな数字を目にすると、「意外と、老後の生活費用はかかる」ということが
ハッキリとしましたが、夫婦2人の場合ですと、老後の生活費は15万では…足りません。

老後の生活にかかる費用に関しては、以下の2点を考える老後の生活にかかる費用に関して考えるときに大切なのが、以下の2点です。

1.自分にとっていつからが「老後」なのかという点

60歳で定年を迎えて悠々自適の生活を送る人もいれば、生涯現役で働き続ける人もいます。
老後、公的年金以外にどのくらいの収入が見込めるかによっても、老後の生活水準や支出に大きな差が出てくるはずです。
老後の生活費を考える時には、自分の老後が何歳からスタートするのかを考えておきましょう。

2.自分が老後の生活をどのように送りたいかを考える

旅行や趣味などに時間とお金を割いた有意義な生活を送りたいのか、基本的な生活が送れれば満足なのかによって老後の生活費の相場も変わってきます。

2つのポイントを自分で、もしくは生計を共にするパートナーときちんと話し合って共有しておくことで具体的な金額がイメージできることでしょう。

老後の住居費が不安です。持ち家がない場合、どれくらいの蓄えが必要になるでしょうか?

持ち家にも賃貸にもメリットとデメリットはそれぞれありますので、持ち家の有る無しに関わらず、ご自身の家計の収支のバランスや預貯金額などから将来に必要な金額を総合的に算出する為にもライフプランコンサルティングをお勧め致します。

公的年金の平均額は?

老後の生活を支える大事なお金が、公的年金です。

会社を定年退職した後の主な収入は公的年金となり、それにプラスしてアルバイトなどでお金を稼ぐ人もいるでしょう。

老後の生活を少しでも楽しく、そして余裕をもって過ごすためには、自分がもらえる公的年金の金額をきちんと把握しておくべきです。厚生年金、国民年金によって違いがありますので、詳しく見ていくことにしましょう。

公的年金は何歳からもらえるの?

  • 男性・・・昭和36年4月2日以降生まれ
  • 女性・・・昭和41年4月2日以降生まれ

上記の条件に当てはまる人は、65歳からの受給となります。

ここでポイントとなってくるのが、リタイアする年齢です。
65歳からしか公的年金が出ないわけですから、60歳で退職した場合は、5年間は無収入となります。

この期間貯蓄で過ごしていくか、シニアスタッフ、アルバイトなどでつないでいくのかは人それぞれです。

この5年間の過ごし方によって、老後の生活にいくら必要なのかも左右されると覚えておきましょう。

平成28年厚生労働局年金調べによると…

平成28年厚生労働省の厚生年金保険・国民年金事業の概要によりますと

【厚生年金保険(第1号)受給権者の平均年金月額】…月額 145,638円

※厚生年金は現役時代の報酬額によって受給額が異なります。

【国民年金 受給権者の平均年金月額】…月額 55,373円

※国民年金は国民年金は納付期間によって受給額が異なります。
都道府県別にデータを見ても、約5.2万円台の県もあれば、約5.9万円台の県もあります。

自分が年金でもらえる金額を知るためには?

お金はすぐに貯めることはできませんし、稼ぐこともできません。
老後の生活にいくら必要なのかを事前に確認しておくが大切です。
方法は、2つあります

1.日本年金機構の「ねんきんネット」から新規登録

新規登録をするだけで、自分で簡単に試算することができます。パソコンやスマートフォンでいつでもどこでも確認できるのは、とても便利ですね。

こちらをチェック
日本年金機構 ねんきんネット

2.年金事務所の個人記録から公的年金の見込み額を出す

2つ目は、年金事務所で管理されている個人記録から、公的年金の見込み額を出してもらう方法です。

退職金についても忘れずに

公的年金だけではなく、退職金も老後の生活を支える大事な資金になります。
公的年金や退職金だけでは足りない部分は、現役時代にコツコツ貯蓄しておく必要があるので、どのくらいの退職金がもらえるのかも事前に把握できればいいですね。

生活費の詳しい内訳 生活費はどのくらい?

老後の生活は、現役時代とはまた違う生活スタイルとなるでしょう。
もちろん、生活スタイルが変われば、必要なものもそれにかかる費用も変わってきます。

「老後の生活費の詳しい内訳を知りたい」「一般的な老後の生活費はどのくらいなの?」と漠然とした老後の生活に不安を抱えてしまう人も少なくありません。

ここからは、総務省「家計調査」をもとに、世帯主の年齢階級別家計支出(二人以上の世帯)-2017年-について確認していくことにしましょう。

出典:総務省「世帯主の年齢階級別家計支出(二人以上の世帯) -2017年-」

※これからご紹介する数字は、総務省調べによる平均の金額です。
働いているのか、いないのか。家族構成やこれまでの生活水準によって各家庭で個人差があります。
数字を参考にして、ご自分の老後の生活資金を見直すのに役立ててください。

65歳未満の現役時代

消費支出
290,084円
食費76,608円
住居費16,459円
数道光熱費22,693円
家具・家事用品11,991円
被服等9,999円
保険医療費14,603円
交通・通信費43,448円
教育費1,352円
教養娯楽費29,366円
その他消費支出63,565円
交通費25,541円
仕送り金3,679円

65歳以上

消費支出
247,701円
食費70,058円
住居費14,853円
数道光熱費21,635円
家具・家事用品10,273円
被服等7,465円
保険医療費14,995円
交通・通信費28,524円
教育費458円
教養娯楽費24,541円
その他消費支出54,898円
交通費25,315円
仕送り金1,784円

70歳以上

消費支出
234,628円
食費68,065円
住居費14,115円
数道光熱費21,191円
家具・家事用品9,570円
被服等6,850円
保険医療費14,850円
交通・通信費23,998円
教育費1,352円
教養娯楽費360円
その他消費支出52,466円
交通費25,264円
仕送り金1,447円

上記のデータから分かるのは、年齢を重ねるごとに支出の内訳も変わってくるということです。

老後の生活になると、現役時代よりも、交通・通信費と教育費の支出が減っていることが分かります。
子供も手が離れて、会社への通勤がなくなったことが関係しているのかもしれません。

反対に交際費は、現役時代と比較しても大差はありません。
趣味や旅行などで、老後の生活を楽しんでいる方も多いようです。

定年に関係なく出ていくのは、このお金!

  • 食費
  • ガス・水道などの光熱費
  • 家賃
  • 住居費
  • 保険料
  • 介護保険料

リタイア後に発生しがちなお金!

  • 趣味や娯楽のための費用
  • 交際費
  • 妻の国民年金保険料
  • (ただし、妻が60歳になるまで)
  • 国民健康保険料

老後の生活と今の生活が結びつきません。どのように老後の生活費を試算すれば良いのでしょうか?

確かに、老後の生活費は想像できないですよね。年金、老後生活費、介護費用など試算といっても複雑な計算が必要になります。われわれFPにご相談いただければ、様々なデータからお客様の老後の生活費を導き出すことができますのでぜひFPをご活用ください。

ゆとりと余裕のある老後の生活を送るために、不足する金額目安

「老後にかかる生活費…どのくらい不足するのか」と気になってしまいますよね。

最低限度の生活が送れれば幸せなのかというと、必ずしもそうではありません。最低限度の生活ではなく、娯楽や教養に費やせるゆとりと余裕のある老後の生活を希望する人がほとんどです。

そこで、当サイトでは1つのモデルケースを使ってご説明していきます。
最低限度の老後の生活ではなく、ゆとりと余裕のある老後の生活を送るためには、上乗せしてどのくらいの費用が必要なのかを見ていくことにしましょう。

老夫婦2人世帯のモデルケース

老後に不足する金額

1. 年金額(月額) 23万円と想定。1人あたり11.5万円

2. ゆとりある老後生活を送るために必要な費用(月額) 38万円と想定。

3. 38万円-23万円=ゆとりある老後の生活を送るためには、15万円の不足。
ゆとりと余裕のある老後の生活を送るために、不足する金額は、1ヶ月あたり15万で年間180万円となりました。

4. アクティブに過ごせる老後の生活が15年続くと想定すると、年間180万円×15年=2700万円の不足分を補う必要がでてきます。
よって、余裕のある生活を送りたいのなら、年金生活が始まる前に予備分も含めて「約3000万円」の貯蓄をしておくとよいでしょう。

老後までにいくら準備しておけばいいのか?

現役で働いているうちに、老後の生活に必要な資金を備えておかなければなりません。

公的年金だけで、有意義な生活を送ることができるわけではありませんし、貯えはいくらあっても安心感が高まるだけです。

さて私たちは、老後の生活を迎える前までにいくら準備しておけばいいのでしょうか?

60歳以降の生活費で考えてみましょう

60歳で定年を迎えて、85歳まで生きたとします。そうすると、老後の生活は25年ですね。
それなりの生活を送るためには、月に約23万円必要になるので、以下の計算式が成り立ちます。

月額23万円×12ヶ月×25年間=約6900万円

つまり生活費だけで、約6900万円かかるというわけです。

もちろん、生きていれば生活費以外にお金がかかることも忘れないでください。

特に老後の生活で必要になってくるのが、医療費・介護費用・お葬式の費用・緊急時の予備費などです。
いくらかかるかは予想できませんが、800~1000万円は準備しておきたいところですね。

老後の生活費はどの方法で蓄えておくのが良いのでしょうか?

老後の生活費は、長期的なスパンでお金を貯めていく事となりますので、「お金を貯める」からより金利の高いところで「お金を増やす」という考え方が重要なポイントになります。
老後の生活費がいくら必要かを把握し目標の金額を設定し、ご自身の希望に合った金融商品を選択する事が大切です。

まとめ

今回は「老後の生活費は、いくらあれば足りるのか?」というテーマでお話をしました。

生活費に関しては、それぞれの家庭の生活水準や価値観がありますので、個人差があります。

最低限度の生活を送るのか、旅行や趣味などに時間を費やしたゆとりのある生活を送るのか、早めの老後の資金対策が重要です。

10年先、20年先、30年先の自分のあり方、夫婦としてのあり方をもう一度見直していきましょう。