【年金編第9話】国民年金と厚生年金はどう違うの?簡単説明で理解しよう
厚生年金の保険料は給与から天引きして雇用者が支払うので、必ず保険料は払込まれます。
国民年金は自分で払込むので、手持ち資金が不足する場合には払込むことができません。
収入が減少したり、失業等、経済的な理由により、国民年金の保険料の支払いに困った時には、免除制度と納付猶予制度があります。
保険料の免除制度
所得が少なく前年度の所得が一定額以下の場合や失業した場合など、国民年金保険料を納入することが困難な場合は申請書を提出して承認されると保険料が免除されます。
免除の基準となる金額は以下の通りです。
- 全額免除は、前年度所得が(扶養親族の数+1)*35万円+22万円
- 4分の3免除は、前年度所得が78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
- 半額免除は、118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
- 4分の1免除は、158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
扶養親族等控除額と社会保険料控除額は、年末調整・確定申告で申告した額です。
所得は収入額ではなく、収入額から経費を差し引いた確定申告の課税対象額です。
保険料の猶予制度
50歳未満の方で前年度所得が(扶養親族の数+1)*35万円+22万円未満の方は申請して承認されると支払いが猶予されます。
また、学生で所得が118万円+社会保険料控除額等未満の場合は「学生納付特例制度」により支払いが猶予されます。
猶予された期間は年金受給資格期間となりますが、年金額には反映されません。
年金に反映する(増やす)には、保険料の追納が必要です。
国民年金保険料の産前産後期間の免除制度
国民年金第1号被保険者が出産する場合、出産予定日または出産日の月の3ヶ月前から6ヶ月間の国民年金保険料が免除されます。
第2号被保険者が出産で休業期間中(産前42日、産後56日)の厚生年金保険料は免除されます。
第3号被保険者の方は、保険料を支払わないので保険料の免除はありません。
免除されても年金受給資格期間や年金額には影響されないので、追納する必要はありません。
免除された場合の年金額
免除された期間の年金額は、保険料が国庫負担金のみになるので、年金額は全額支払った場合の2分に1になります。
保険料は国庫負担で国と折半ですので2分の1はもらえますが、申請して承認されることが必要です(申請しないともらえません)。
- 全額免除は、2分の1
- 4分の3免除は、8分の5
- 半額免除は、8分の6(4分の3)
- 4分の1免除は、8分の7
例えば、半額免除は支払った半額分の2分の1に、免除された半額の国庫負担分の2分の1の4分の1を加えた4分の3になります。
仮に、40年間全額免除で保険料を1度も支払わなくても、令和元年では年金は年額390,100円になります。
手続きしないと年金額は、0円です。
免除期間や猶予期間の追納
猶予期間の保険料や免除期間の免除された保険料は、10年間追納できます。
追納しないと年金額は増えません。
全額追納すると、年金額はその期間分全額受給できます。
また、保険料の時効は2年なので、免除や猶予でなくても保険料は2年さかのぼって納入できます。
例えば、60歳超えて時効前の保険料を支払うことができます。
色々な制度がありますので保険料の支払いに困った時は、年金事務所かお住いの自治体に相談してください。
まとめ
- 厚生年金は給与から天引きして雇用者が支払うから保険料は必ず払込まれる
- 国民年金は自分で払込むため不足したら払えない
- 国民年金保険料を納入することが困難な場合の免除もある
- 免除された場合、国庫負担になるため支給額は2分の1になる
- 手続きをしないと年金額は0円
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