個人年金保険とは。公的年金とはどう違うの?

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個人年金保険は、契約時に定めた年齢に達した時点から一定期間、あるいは一生涯、年金を受け取ることができる保険です。

誰もが加入する公的年金制度(国民年金、厚生年金)だけでは老後の生活費が不足するかもしれないということで、公的年金を補うためのセーフティネットとして注目されています。

個人年金保険と公的年金の違い

公的年金も個人年金保険も同じ「保険」ですが、以下に示すような違いがあります。

公的年金個人年金保険
保険者保険会社
加入必須任意
払込期間60歳まで(国民年金)
70歳まで(厚生年金)
任意(制限がある場合も)
受給期間一生涯契約時に選択
受給開始60歳〜(選択可能)契約時に設定
給付方式確定給付(固定額)原則契約時に確定
保険料控除ありあり

個人年金保険と公的年金は、どちらか一方を選択して加入するものではありません。

公的年金は加入が義務付けられていますが、個人年金保険は任意に選択して加入する保険です。公的年金では足りない分を補うのが個人年金保険なのです

個人年金保険のメリット

個人年金保険のメリットは次の3つです。

  • 老後の計画が立てやすくなる
  • 貯蓄が苦手な人でも継続しやすい
  • 保険料控除が受けられるため節税対策になる

それぞれ詳しく解説していきます。

老後の計画が立てやすくなる

個人年金保険(定額型)は、通常契約時に年金額が確定するため、受け取る期間・金額があらかじめ把握でき、老後の計画が立てやすいというメリットがあります。

自分の必要に応じて契約内容を自由に選ぶことができるため、公的年金では足りない部分を補うための資金を計画的に蓄えていけます。

貯蓄が苦手な人でも継続しやすい

個人年金保険は支払いが終わる前に途中で解約してしまうと、支払った金額より受け取れる金額が少なくなる可能性があります。

これが解約への抑止力となるため、貯蓄が苦手な人でも継続しやすいというメリットがあります。

保険料は銀行口座またはクレジットカードで自動的に引き落とされるので、余った分を貯蓄に回す方法よりも強制的にお金を貯めていくことができます。

保険料控除を受けられる

保険料控除を受けられるので、所得税と住民税の負担軽減を図ることができます。

生命保険料控除の1つである「個人年金保険料控除」が適用されるため、保険料の払込額に応じて、所得税最大40,000円、住民税最大28,000円の控除が受けられます。

個人年金保険のリスク

個人年金保険にはウィークポイントもあります。

個人年金保険は契約時に年金額が確定するため「元本割れのリスク」はありませんが、ローリスクなだけに、リターンはあまり見込めません

加入したときの利率が最後まで適用されるため、低金利の今の時代では長期間積み立てても年金額が増えません。将来的に金利が上がったとしても商品に反映されることがないため「インフレに弱い」という特徴があります。

将来的に日銀が掲げる「物価目標2%」が達成された場合、自分の資産は2%以上増やせていてはじめて「お金が増えた」と言うことができます。

個人年金保険は、「減るリスク」がない代わりに「増えないリスク」があると言えるかもしれません。

個人年金保険にリターンを求めるなら

「増えないリスク」を考えるなら、おすすめなのは

  • 変額個人年金保険
  • 外貨建て用個人年金保険

です。

変額個人年金保険は、運用型の年金保険です。積立額が運用実績により変動するため、場合によっては元本割れが発生してしまいますが、リターンが増える可能性もあるため、個人年金保険に比べると、ハイリスク・ハイリターンの商品ということになります。

外貨建て個人年金保険は「為替リスク」がある商品です。積み立て金の運用を外貨で行うため、高い利回りが期待される反面、実際に年金を受け取る際にはその時点の為替レートで円に変換することになります。

為替相場によっては、支払った保険料より受け取れる年金額の方が少ない元本割れを起こす場合もあるので注意が必要です。

希望するリターンと受け入れられるリスクは人それぞれですから、ご自身の状況なども含めて考慮するとよいでしょう。

個人年金保険の契約時に気をつけること

個人年金保険の契約時には、次のようなポイントに注意しましょう。

  • 途中解約すると元本割れする
  • 長生きしないと損をする可能性がある

途中解約すると元本割れする

払込期間は20年〜30年もありますから、給付が始まるまでに急に現金が必要になることがあるかもしれません。

個人年金保険は途中解約可能ですが、解約返戻金はそれまでに支払った保険料の総額よりも少なくなります。特に加入してから3年目くらいまでの返戻率は低くなっていますのでご注意ください。

個人年金保険は長期間の契約であること、つまり長期間動かせないお金であることを認識した上で、加入する場合には途中で解約することがないようなプランにすることが大切です。

長生きしないと損をする?

個人年金保険の受け取り方には、有期年金、保証付有期年金、確定年金、終身年金、保証付終身年金などがあります。

個人年金保険は基本的には支払った保険料の総額よりも受け取る年金の総額が多くなることが前提となります。

しかし、生存している限りずっと年金を受け取ることができる「終身年金」の場合、受給がスタートしてから早い時期に死亡してしまうと、受け取れる年金の額が元本割れしてしまいます。「有期年金」も、年金受取期間中に死亡するとその後の支払いはなくなりますので、同様に損をする場合があります。

確実に決まった額を受け取りたい場合は、これらの支払いタイプを避けるようにしましょう。

個人年金保険は初心者にもおすすめの金融商品

契約時に年金額が確定する「個人年金保険」は、老後の計画が立てやすいというメリットがあることがわかりました。ただし、低金利の時代では、長期間積み立てても年金額が増えにくいというデメリットもあります。

金融商品の種類を選択するだけで、運用は保険会社に任せることができる「個人年金保険」は、ハイリターンではありませんが、初心者にも始めやすい資金作りの方法だと言えるでしょう。

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