厚生年金が高い理由は?保険料の計算方法を交えながら解説します

「毎月給料から天引きされている厚生年金はどうしてこんなに高いの?」「厚生年金の保険料ってどのように決まっているんだろう」と疑問に感じていませんか?

厚生年金は、老後の生活に備えるための年金制度の一つです。この記事では、厚生年金の基礎知識や仕組み、保険料の算出方法、厚生年金を高いと感じる理由を解説していきます。

厚生年金とは?

国民年金が「20歳以上60歳未満の全員に加入が義務付けられている保険」なのに対して、厚生年金は「会社員や公務員が国民年金と合わせて加入する保険」です。全員が加入するわけではありません。

厚生年金の主な特徴は次の通りです。

  • 原則65歳から無条件に年金が受給できる
  • 保険料の50%を勤め先が負担してくれる
  • 保険料の額は、給与やボーナスの額で変動する

厚生年金にしかない特徴としては「保険料の半額を勤め先が負担してくれる」「保険料が給与やボーナスの額で変動する」という2点が挙げられます。

厚生年金保険料を「高い」と感じる理由

厚生年金保険料の自己負担額は、給与のおよそ1割

厚生年金保険料の自己負担額は、給与の9.15%です。稼いだお金のおよそ1割を強制的に持っていかれると思うと「厚生年金って高い・・・」と感じるかもしれません。

しかし、厚生年金の保険料率は「18.3%」

厚生年金の保険料は会社と被保険者で折半して納めることになっているため、実際には給料のおよそ2割を納めているんです。

将来受け取れる年金は、納めてきた保険料によって変わります。一見高く感じてしまう厚生年金の保険料ですが、将来的には自分が支払った保険料以上の年金を受給できることを考えれば、お得な年金制度であることが分かるでしょう。

厚生年金保険のお得な保障内容

厚生年金の保証内容を知っておこう

厚生年金の保証内容は、65歳以上からもらえる「老齢年金」だけではありません。厚生年金の保証内容には、老齢年金の他に次のようなものがあります。

  • 障害が残ったときに貰える「障害年金」
  • 万が一のことがあった場合に遺族に支給される「遺族年金」

障害年金や遺族年金は国民年金でも保障されますが、厚生年金は国民年金よりも障害年金の支給適用範囲が広いなど、手厚い保障が受けられます。

また、被保険者が出産により休業している場合には、厚生年金の保険料の免除が可能です。

2016年の障害年金のデータでは、国民年金の平均支給額が72,453円であるのに対し、厚生年金では102,398円となっています。

厚生年金保険料の計算方法

厚生年金の保険料は「①標準報酬月額(毎月の給与額)」「②標準賞与額(ボーナス額)」によって決定されます。

標準報酬月額

標準報酬月額は、以下の表によって定められます。納付する保険料を算出する方法は「標準保障月額×保険料率(2017年9月からは18.3%)」です。

なお「給与」とは、基本給に加え、残業手当、通勤手当、現物給与(宿舎や食事代といった現金以外の給与)を含みます。

等級標準報酬月額報酬月額自己負担金額(折半額9.15%)厚生年金保険料(全額18.3%)
1等級88,000~93,0008,05216,104
2等級98,00093,000~101,0008,96717,934
(中略)
13等級190,000185,000~195,00017,38534,770
14等級200,000195,000~210,00018,30036,600
15等級220,000210,000~230,00020,13040,260
16等級240,000230,000~250,00021,96043,920
17等級260,000250,000~270,00023,79047,580
(中略)
30等級590,000575,000~605,00053,985107,970
31等級620,000605,000~56,730113,460
標準報酬月額ごとの保険料額

たとえば月額報酬が27万円の場合は、17等級(25~27万円)に相当するため、毎月の保険料は「47,580円」となります。

標準賞与額

厚生年金は、毎月の給与の他にボーナスからも天引きされます。

保険料を決める基準となる標準賞与額は「ボーナスの支給総額から千円未満を切り捨てた値」です。

たとえば、ボーナスの支給総額が125,000円なら、千円未満を切り捨てた「120,000円」が標準賞与額となり、厚生年金の保険料は、120,000円に保険料率18.3%を掛けた「21,960円」です。自己負担額は、半額の「10,980円」となります。

「ボーナスからも厚生年金の保険料が引かれるなんて」と感じてしまうかもしれませんが、厚生年金の対象を毎月の給与のみとすると、毎月の給料を少なくしてボーナスを多くすることで、企業が保険料の負担額を調整できてしまうのです。

こういったことを防ぐために、ボーナスにも厚生年金の保険料負担が必要になっています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
この記事では、厚生年金の仕組みと計算方法、厚生年金を高いと感じる理由を解説してきました。

厚生年金保険料の支払い額は自分では決められないので、厚生年金の保険料を節約する方法はほとんどありません。

しかし、厚生年金の保険料の半分は勤めている会社が負担してくれているため、実際には天引きされている額の2倍の保険料が支払われています。

万が一の場合や老後に手厚い保障を受けることができることを考えれば、今よりも気持ちよく支払うことができるのではないでしょうか。

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