遺族基礎年金について。家族の生活費はどうなるの?

この記事の監修

綿引紀一(わたびき のりかず)

綿引紀一(わたびき のりかず) ファイナンシャルプランナー

株式会社Style
生命保険協会認定FP 2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家検定)

日産自動車株式会社 座間工場 勤務を経て、1998年、アクサ生命保険株式会社に入社。2001年 MDRT入会し、同年、営業所長に就任。2010年には統括部次席に。
2014年 アクサ生命保険株式会社を退職したのち、2015年 株式会社 Style (生命保険10社/損害保険2社 取扱い)〜現在に至る。
資産づくり、資産運用、医療系を得手としている。
趣味はゴルフ・カラオケ。

亡くなった時に、現役世代も含めて受給できる遺族年金があります。

障害年金と同じように、遺族年金にも以下に示すように2種類あります。

  • 国民年金と厚生年金の遺族基礎年金
  • 厚生年金だけの遺族厚生年金

どちらも申請しないと受給できないので、家族に伝えておきましょう。

厚生年金加入者は、受給条件を満たすと遺族基礎年金と遺族厚生年金を合わせて受給できます。

遺族基礎年金

国民年金に加入し、以下の受給要件を満たすと障害基礎年金を受給できます。

受給要件

遺族基礎年金は、以下を満たすと受給できます。

  • 国民年金の被保険者が死亡
  • 被保険者であった人で国内に住所のある、60歳から65歳未満の間に死亡
  • 老齢基礎年金受給権者が死亡
  • 老齢基礎年金の受給資格期間(25年)を満たしている人が死亡
  • 初診日の前々月までの期間3分の2以上保険料納付済か保険料免除期間
  • 直近1年間に保険料の滞納がない

最後の条件はその上の3分の2を満たさなくても受給できますが、2026年4月1日までの制限がついています。

遺族年金は、加入期間中に2/3以上かつ、亡くなられた日の前々月から1年間に年金の滞納があった場合には支給されません。2年間遡って未納分を支払うことは出来ますが、上記の間納付していたことにはならないので、亡くなりそうだから慌てて支払うようなことは認められないのです。

年金受給額

遺族基礎年金は、子供のある配偶者が受給対象です。
2014年度(平成26年)からは、子供のある夫も遺族基礎年金を受給できるようになりました。

子供はどこまでが対象になるのかというと、18歳(障害等級1級・2級は20歳)の年度末までが対象となります。

受け取れる令和元年の年金額は、加入期間にかかわらず以下の合計になります。

  • 780,100円
  • 子供2人までは、1人につき224,500円
  • 3人目以降は、1人につき74,800円

遺族基礎年金の受給期間は、子供の年齢条件までです。

遺族年金を受給するためには、受け取る人の前年年収が850万円未満、もしくは所得が655万5000円未満であることが要件になっています。

寡婦年金と死亡一時金

年齢条件を満たす子供がいないと遺族基礎年金は受給できませんが、寡婦年金または死亡一時金を受給できます。

2つ受給できる場合は、どちらかを選択します(2つを重複して受給することはできません)。

寡婦年金

寡婦年金は、国民年金の第1号被保険者が死亡し、保険料納付済期間の月数が25年以上あり老齢基礎年金または障害基礎年金を受給しないで死亡した場合に、妻が60歳から65歳になるまで受給できます。

年金額は、夫の受給する年金額の4分の3です(年金額は、加入期間により変わります)

寡婦年金は子供のいない女性のみが受給でき、男性は受給の権利がないため男女格差のある年金です。

死亡一時金

死亡一時金は、国民年金の第1号被保険者の保険料納付済期間の月数が36ヶ月(保険料免除期間の調整あり)以上あり、老齢基礎年金または障害基礎年金を受給しないで死亡した場合に、加入月数に応じて遺族(妻、子供、父母、孫、祖父母、兄弟の優先順)が12万円からから32万円受け取れます。

遺族基礎年金を受給していると、死亡一時金はありません。

遺族厚生年金

受給要件

厚生年金に加入し、以下の受給要件の1つを満たすと遺族厚生年金を受給できます。

  • 厚生年金の被保険者が死亡
  • 保険期間中の傷病で初診日から5年以内に死亡
  • 老齢厚生年金の受給資格期間(25年)を満たしている人が死亡
  • 老齢障害年金1級・2級の障害厚生年金受給者が死亡

障害基礎年金と同様な保険料納付要件があります。

年金受給額

年金額は、厚生年金加入期間の比例報酬年金額の4分3になります。

加入期間が300ヶ月(25年)に満たない場合は、300ヶ月になります(加入してすぐ亡くなっても25年分はもらえます)。

遺族障害年金受給対象者の順位は、以下になります。

  • 第1順位は、配偶者・子供(18歳・障害1級・2級は20歳の年度末まで)
  • 第2順位は、父母
  • 第3順位は、孫(18歳・障害1級・2級は20歳の年度末まで)
  • 第4順位は、祖父母

30歳未満の子供のいない妻は、5年間の受給のみです。

55歳以上の夫、父母、祖父母は、60歳以上から受給できます。

中高齢寡婦加算

夫が死亡したときに40歳以上で子供のいない妻に、65歳まで遺族厚生年金に加えて中高齢寡婦加算が支給されます(40歳以上で子供の年齢条件を超えた妻も含みます)。

この年金額は、遺族基礎年金の4分の3(令和元年は年額585,075円)です。

65歳を超えると減額されますが、経過的寡婦加算があります。

妻が年金受給者で夫が死亡

65歳以上の妻は自分の老齢基礎年金を受給しているので、夫の老齢基礎年金は支給停止になります。

国民年金のみの妻は、自分の老齢基礎年金と夫の老齢厚生年金の4分の3を加えた額を受給します。

厚生年金に加入している妻は、自分の老齢基礎年金、老齢厚生年金に加えて夫の老齢厚生年金と自分の老齢厚生年金の差額(マイナスの場合は0)を受給します。

遺族年金が受け取れる状況であるのに申請漏れで受け取っていない場合、遡ってもらうことは出来ます。しかし、遡れるのは申請日から5年間だけですので、それ以前の分は時効により支払われません。

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