世帯・年代別の平均貯蓄額が知りたい!みんなの貯金額はいくらなの?

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総務省が2019年5月17日に公表した「家計調査報告 2018年(平成30年)平均結果」によると、2人以上世帯の1世帯当たりの貯蓄現在高の平均値は、2018年で1752万円なのだそうです。

これは、前年と比べると3.3%減っており、さらに勤労世帯に限ると、前年より0.5%減っており、貯蓄現在高の平均値は1320万円でした。

しかし、これはあくまで平均値です。貯蓄高や貯金すべき金額は、年齢や家族構成によって大きく変わってきますから、平均額を気にする必要はあまりありません。

この記事では、金融広報中央委員会が平成30年に実施した「家計の金融行動に関する世論調査」を元に、平均貯蓄額を世帯と年代別にご紹介しながら、ライフスタイルに応じた貯金額の目安を解説していきます。

「将来のために貯蓄をしなければいけない…」「何かあった時のために貯蓄しなければ…」と考えている方は、是非参考にしてみて下さい。

出典:家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 平成30年調査結果

出典:家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 平成30年調査結果

世帯別・年代別の平均貯蓄額は?

まずは、単身世帯と二人以上世帯の1年の貯蓄平均を年代別に見ていきましょう。

年代 単身世帯 二人以上世帯
20代 1,833万 252万
30代 497万 1,009万
40代 4,228万 1,207万
50代 1,710万 2,104万
60代 2,872万 2,486万

単身世帯では世帯ごとの貯蓄額の差が大きく、超高額貯蓄世帯が全体の平均値を押し上げています。この表にある金額は「多くの人の貯蓄額」ではないということに気を付けて下さい。

この表からは、年代が上がるにつれて貯蓄額が増えていっていることや、単身世帯の方が二人以上世帯よりも貯蓄額が多いことがわかります。

二人以上世帯では夫婦共働きのケースが多く、貯蓄額も増えるように思いますが、子どもがいる世帯では養育費の負担があるため、年代が上がるにつれての貯蓄額の増加は控えめです。

次は、年代別・世帯別の貯蓄額を、収入額別に見ていきましょう。この表には、各年代の貯蓄額の平均値と中央値を記載しています。

「自分のペースで」と分かってはいるのですが、他の人の貯金額を聞くと焦ってしまいます。目標金額はどのように設定すれば良いのでしょうか?

収入の金額や、お金を使いたい事は人それぞれです。
貯金額が多い人に刺激を受けるのは良いですが、「人生100年時代」・・・焦る必要はありません。
日常生活資金も確保しながら、ご自身最大限の貯金額の設定をしていきましょう。

年代別の貯金額の平均とは?

20代は年収の30%~100%、貯蓄ゼロ世帯もある

20代は、働き始めたばかりで貯金に回す余裕がないという人もおり「まだ貯蓄がない」という世帯もあります。貯蓄をしている世帯では、世帯年収の30%~100%程度を所有していることが多く、世帯の年収以上の貯蓄を保有している世帯は、あまり多くはないようです。

単身世帯は、収入やライフスタイルが大きく異なるため、貯蓄額も世帯によって極端にばらつきがあります。

二人以上世帯の中には、結婚や出産、家を買うなどのライフイベントによって一時的に貯蓄がなくなっているケースがあると思われます。

単身世帯

年収平均中央値
収入なし14万0
300万未満52万0
300~500万未満158万75万
500~750万未満528万278万
750~1,000万11,078万11,078万
1,000~1,200万1,000万1,000万
1,200万~00

二人以上世帯

年収平均中央値
300万未満85万15万
300~500万未満283万229万
500~750万未満393万308万
750~1,000万未満51万51万
1,000~1,200万未満350万350万
1,200万以上350万350万

※750万以上の総数は4人と非常に少ないため、平均値・中央値に大きく影響しています。

【補足】平均値と中央値の違い

金融資産の保有状況などを記した表に「平均値」と「中央値」という2種類の値が記載されていることがあります。これは、どちらも数字データ群の真ん中を示す値です。

平均値は「データの総和をデータの個数で割った値のこと」で、中央値は「データを小さい順、または大きい順に並べて真ん中に来る値のこと」です。数値の出し方が違うため、平均値と中央値はまったく異なる値になることがあります。

平均値は、極端に大きな数値や小さな数値があると大きく結果が変わってしまいます。貯蓄額や収入額をみるための表では、平均値と中央値の差が大きい場合「中央値」の方が実態に近い数値だといえるでしょう。

30代になると年収程度の貯蓄ができるようになる

30代になると、本格的に貯金を始める人が増えてきます。平均貯蓄額も増加し、平均値・中央値共に、年収と同程度の金額になっています。

一方で、世帯年収が高くない世帯の場合、まだ貯蓄ができていないということもあります。

結婚や出産、子育てといったライフイベントの他、転職で収入額が変動する人も少なくありません。30代から先を見据え貯蓄をしていく方が多いように思われます。

単身世帯

年収平均中央値
収入なし48万0
300万未満118万1万
300~500万未満506万200万
500~750万未満749万250万
750~1,000万未満477万200万
1,000~1,200万未満667万1,000万
1,200万以上915万915万

二人以上世帯

年収平均中央値
収入なし00
300万未満235万210万
300~500万未満443万350万
500~750万未満670万510万
750~1,000万未満940万560万
1,000~1,200万未満3,239万1,380万
1,200万以上1,537万1,369万

40代の貯蓄額は年収の150%~200%へ増加

40代になると、単身世帯と二人以上世帯の貯蓄額に差が出てきます。理由としては「住宅ローンの支払い」「子どもの高等教育にかかる費用」といった、高額な出費項目をいくつも抱えている二人以上世帯が多いことなどが考えられます。

中にはかなり多くの貯蓄を保有している単身世帯もありますが、全体としては、年収の150%~200%程度の貯蓄がなされているようです。

単身世帯

年収平均中央値
収入なし198万0
300万未満173万0
300~500万未満458万100万
500~750万未満1,602万800万
750~1,000万未満2,663万2,650万
1,000~1,200万未満4,000万52万
1,200万以上20,500万20,500万

二人以上世帯

年収平均中央値
収入なし
300万未満261万26万
300~500万未満617万407万
500~750万未満934万649万
750~1,000万未満1,417万1,308万
1,000~1,200万未満1,852万1,500万
1,200万以上3,369万2,400万

50代の貯蓄額は40代までの貯金+α

50代の貯蓄額は、単身世帯・二人以上世帯ともに、40代までの貯蓄額に+αで堅実に増加している印象です。

二人以上世帯では、これくらいの年代から子どもの教育費がかからなくなり、経済的余裕が出てくる場合があります。老後を見据えてこれまでの出費を取り戻す勢いで、貯蓄に一層力を入れることが可能になります。

単身世帯

年収平均中央値
収入なし935万0
300万未満516万0
300~500万未満1,088万200万
500~750万未満2,118万1,100万
750~1,000万未満2,269万1,400万
1,000~1,200万未満4,977万5,380万
1,200万以上65万65万

二人以上世帯

年収平均中央値
収入なし4,300万4,300万
300万未満521万50万
300~500万未満935万400万
500~750万未満1,563万1,000万
750~1,000万未満1,883万1,500万
1,000~1,200万未満1,804万1,700万
1,200万以上3,723万2,831万

60代の貯蓄額は退職金の有無によって変わる

60代になると、住宅ローンの完済や退職金の受け取りにより、貯蓄額が大幅に増える世帯もあります。

定年を迎えて貯蓄を切り崩した生活を始めた世帯と、再雇用などで収入が継続し貯蓄額が今後も増加していく世帯があるため、貯蓄額の差は開いていると思われます。

単身世帯

年収平均中央値
収入なし565万100万
300万未満1,186万300万
300~500万未満2,348万1,400万
500~750万未満4,345万2,200万
750~1,000万未満5,265万2,600万
1,000~1,200万未満5,000万5,000万
1,200万以上1,400万0

二人以上世帯

年収平均中央値
収入なし700400万
300万未満1,337万460万
300~500万未満1,620万1,081万
500~750万未満2,479万1,500万
750~1,000万未満2,431万1,200万
1,000~1,200万未満3,140万1,800万
1,200万以上5,695万3,270万

ライフスタイルに応じた貯金額の目安

結局のところ、いくら貯金に回せば良いのだろうか?

平均貯蓄額は参考にならない?

貯蓄額のデータは年代別・世帯別・収入別に集計されていますが、これらの条件が同じでも、子どもの有無、職種、借入金、住まいの種類などによって家計の状況は大きく異なります。

貯蓄は将来のために行うものですが、将来的に必要な金額も、生活水準によって変わってきます。貯蓄額の平均値はあくまで目安としていただけると良いかと思います。

貯蓄計画を立てる際には、以下のような点を考えながら、自分のライフプランでは「いつ」「どれくらい」貯められそうかを計算してみて下さい。

  • 1ヶ月の生活費はどれくらいかかっているか?
  • 単身世帯か?二人以上世帯か?
  • 子どもの養育費はかかるか?
  • 家は購入するか?賃貸か?
  • 仕事の収入は上昇していく見込みか?

これまで貯金してこなかった場合、年間貯蓄額の目標は多めに設定した方が良いですか?

例えば年収1,000万円の人と年収400万円の人では、目標にできる金額も当然変わりますよね。
なので、今までに貯金を頑張ったことが無いという方は、まずは収入の2割程度を貯蓄に回す事を目標にしてみましょう!

貯金を始めるなら手取りの20%から

一般的には、定年を迎えるまでに次の金額を貯蓄しておくとよいと言われています。

  • 単身世帯は1,000万円~3,000万円
  • 二人以上世帯は3,000万円~5,000万円

貯めどきは世帯によって異なりますが、22歳から毎月「手取りの20%」を貯金していくと、65歳の定年までに手取りの100ヶ月分を貯められることになります。ボーナスからもいくらか貯金に回すことができれば、目標金額までの道のりを早められます。

しかし実際には、ライフイベントで出費が増え貯金ができなくなったり、急な病気で働けなくなり収入がなくなったりする時期が出てくるかもしれません。資産運用を行うなどして、貯蓄額を安定して増やしていく工夫が必要です。

貯蓄は一箇所にまとめて行う形で良いのでしょうか?

まとめる必要はありません。商品の特性や、貯蓄する目的に合わせて最適な貯蓄方法を選択していきましょう!

年代ごとのライフイベントも考慮しよう

「万が一が起きたときの費用に備える」「欲しいものを買う」「ゆとりある生活を送る」など、貯蓄の目的はさまざまです。

「将来のライフイベントに備える」ことも貯蓄の大きな目的の一つといえるでしょう。

各年代の主なライフイベントでかかる金額を考慮して、貯蓄額を考えてみるのもよいかもしれません。

20代~30代のライフイベント

・結婚

株式会社リクルートの「結婚トレンド調査2023 報告書(首都圏)」によると、結納・婚約~新婚旅行までにかかった費用の平均は456.9万円です。

親や親族からの援助の平均額は200万円であるため、結婚資金のために貯蓄する場合は300万円前後を目標にすると良いでしょう。同調査によると、結婚費用のための夫婦貯蓄額の平均は366.7万円です。

・出産

厚生労働省の「出産費用の実態把握に関する調査研究(令和3年度)の結果等について」出産費用の平均額は46.7万円です。

令和5年4月1日以降の出産の場合、出産一時金は約50万円受け取れるため、出産の費用自体は公的保障でほとんどの費用を賄えるでしょう。ただし、マタニティ・ベビー用品や検査費用、トラブルが起きた場合の交通費や夜間診療の費用などは別途かかります。

また、帝王切開のような異常分娩となった場合には、入院が長引き、その分費用がかかる可能性もあるため、自己資金として50万円程度は用意しておいた方が安心かもしれません。

・マイホーム購入

住宅金融支援機構の「2022年度フラット35利用者調査」によると、住宅の平均購入価格は以下の通りです。

建物区分平均購入価格
土地付き注文住宅4,694万円
建売住宅3,719万円
マンション4,848万円
中古戸建て2,704万円
中古マンション3,157万円

購入金額の20%程度の頭金を用意しておくと、住宅ローンの借入金額が減り、返済の負担が重くなりすぎずに済みます。500万円~1,000万円程度を目標に貯蓄をしておくとよいでしょう。

40代~50代のライフイベント

・子育て

幼稚園から大学卒業までにかかる費用は以下の通りです。


幼稚園小学校中学校高校大学合計
全て公立に進学した場合495,378円2,115,396円1,616,397円1,538,913円2,536,757円8,302,841円
全て私立に進学した場合926,727円10,001,694円4,309,059円3,163,332円3,969,723円22,370,535円

参照:文部科学省「子供の学習費調査(令和3年度)

参照:文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移

これらの金額を一度に用意するのは難しいケースが多いかと思いますので、最もお金がかかる大学進学の費用に備えて、早い段階からコツコツと貯蓄を始めることをおすすめします。

60代~のライフイベント

・老後の生活

老後生活においては、以下のような費用が必要です。

生活費(夫婦二人の場合)約2,000万円
リフォーム費用約206万円
介護費用約580万円
葬儀費用約111万円

参照:金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 「高齢社会における資産形成・管理」 
参照:国土交通省「令和4年度 住宅市場動向調査報告書
参照:生命保険文化センター「2021年度生命保険に関する全国実態調査
参照:鎌倉新書「第5回お葬式に関する全国調査」 

人生100年時代と言われていることもあり、今後老後生活を送る期間が長くなっていくことが予想されます。

他のライフイベントと比べても多くのお金が必要となるため、若いうちから老後に備えて貯蓄を始めておくことが重要です。預金だけではなく、金融商品への投資にも取り組みながら、効率よく資産を増やしていきましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回の記事では、年代別・世帯別・収入別の平均貯蓄額のデータをご紹介し、貯金額の目安を解説してきました。

今の時代は多くの方が「たくさん貯金しなくては」と感じていると思います。しかし、焦る必要はありません。少額でもコツコツと確実に貯蓄を増やしていくことが大切です。

今回ご紹介した内容が、皆さんの貯蓄計画を見直すきっかけになればと思います。

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