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この記事の監修

井上 一彦(いのうえ かずひこ) ファイナンシャルプランナー
株式会社ビルド・バリュー
現在では200人以上の個別相談を行うファイナンシャルプランナー
大学卒業後11年間銀行勤務、その後生命保険業界へ転職し13年目を迎える。
お客様の身近な存在として、ライフプランに役立てるよう精進中。
美術鑑賞(特に印象派の絵画)が大好き。
家計をやりくりしていると、1円でも多く節約したいという気持ちが出てくるのが正直なところ。
これ以上何を切り詰めたらいいの?と悩んでしまったとき、まず思い浮かぶのがお小遣いという人もきっと多いのではないでしょうか。
「夫のお小遣いもできれば切り詰めたいけど、周りの人のお小遣いが一体どれくらいなのかわからない。」
「入ってくる分は増えないのに、出ていく分はどんどん増えていく・・・。」
「そもそも、うちのお小遣いの金額って多いの?少ないの?」
夫に毎月どのくらいお小遣いを渡せばいいのかお悩みの方へ、今回は「家計で考える夫へのお小遣い」についてご紹介します。
ちなみに、旦那と奥さんのどちらが家計を管理していることが多いですか??体感の割合も教えてください。
奥様が9:1ぐらいで圧倒的に多いです。旦那様の場合、個人営業者系の人は自分で管理してる場合があります。
夫へのお小遣いの平均額
何よりもまず気になるのが、世間の平均的なお小遣い額は一体どのくらいなのか?というところだと思います。
新生銀行が20〜50代の会社員男女2,700人を対象に調査した「2018年サラリーマンのお小遣い調査」によると
- 〇男性会社員のお小遣い平均額
- 3万9,836円(前年比2,408円増)
- 出典元:新生銀行「2018年サラリーマンのお小遣い調査」
男性会社員のお小遣いの平均額は、だいたい4万円弱の金額。この平均額と比べてみて、ご家庭で設定しているお小遣いの額はどうでしょうか。
しかしながら上記調査結果は、大学生以上の子供がいるサラリーマンや、未婚のサラリーマンのお小遣い額も全て含まれた平均の値ですので、年齢、既婚・未婚、子供の有無、妻の就業状況などで数字は変わってきます。
全国平均で4万円より3万円前後と聞きます。都市部か地方かでも多少格差があると思いますよ。
お小遣いの平均額をもう少し細かく見ていきましょう。
男性会社員の年代別のお小遣い平均額
- 〇20代
- 4万2,018円
- 〇30代
- 3万6,146円
- 〇40代
- 3万7,073円
- 〇50代
- 4万4,017円
20代と50代がそれぞれ平均4万円台、そして30代と40代が肩を並べて平均3万円後半台です。
この背景には、以下のことが考えられます。
- 〇20代
- 家庭を持つ人が少なく、住宅ローンなども組んでいない可能性がある為、それぞれ自由に使える金額が大きい。
- 〇30代、40代
- 家庭と子供を持ち、養育費やローン、保険料などのためにお小遣いを削る傾向にある。
- 〇50代
- 子供が自立し、かける費用や項目そのものが減るため、お小遣いの額が上がっている。
30代、40代は会社組織の中でも中堅に差し掛かり、いわゆる「働き盛り」と呼ばれる世代になってきます。
後輩社員も年々増え、飲み会の席などでご馳走したり、お会計を多めに出してあげたりする機会が多くなることを考えると、お小遣いの額が月に3万円〜4万円台なのは少し苦々しい現実かもしれません。
内訳の割合が多い項目
サラリーマンの多くは、お小遣いを「昼食」に割いています。
新生銀行がとったアンケート結果から、月々のお小遣いの使い道と、それぞれに必要な金額を紹介します。
【月々のお小遣いの使い道と、それぞれに必要な金額】
- 〇昼飯代
- 10,383円
- 〇携帯電話代
- 7,211円
- 〇嗜好品代
- 8,983円
- 〇飲み代
- 13,037円
- 〇趣味
- 12,246円
- 〇車・ガソリン代
- 8,576円
- 〇身だしなみのための費用
- 3,678円
- 〇パソコン関連、通信料
- 3,414円
- 〇遊興費
- 14,263円
また、それぞれの項目について「必要だ」と答えた人のパーセンテージは下記の通り。
- 昼食代・・・43.2%
- 携帯電話代・・・24.3%
- 嗜好品代・・・21.2%
- 飲み代・・・19.8%
- 趣味・・・18.4%
昼食代が圧倒的にトップを占めています。
平均昼食代でみるサラリーマン1ヵ月の昼食費
上記結果から、もし家計の見直しをするなら「昼食代」でしょうか。
男性会社員の1日あたりの平均昼食代は、世代別に以下の様な結果になっています。
20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 全体平均 |
541円 | 592円 | 610円 | 538円 | 570円 |
では、 男性会社員の平均昼食代が1日あたり570円という結果をもとに考え、月に21日間の出勤日があり、毎日お弁当にした場合、単純計算で
- 〇月に21日間の出勤日で毎日弁当にした場合。
- 単純計算で[570円×21日=11,970円]
弁当を持参する分、食費はかかりますが、毎日570円よりは遥かに抑えられるでしょう。
ただ、どうしても毎日弁当を用意するのは大変といった意見や、営業職で炎天下のもと、弁当を持たせるのは不安で出来ないと意見もあると思います。
その場合は、昼食代をお小遣いとして扱うのではなく食費に含めるといいかもしれません。
昼食を切り詰めて健康に支障をきたしてしまっては、家計ではなく、家庭そのものに悪影響となります。
「百害あって一利なし」にならないよう、費目の振り分けを少し変えてみることで上手にやりくりしていけるといいですね。
お小遣い額の理想の割合
収入の一割程度を上限にしておけば、家計を圧迫する可能性が低いという理由から 収入の一割を上限目安にすると良いと言われています。
適切に毎月貯蓄する場合も、手取りの1割程度が理想です。
例えば「月の手取りが30万円なら夫のお小遣いは3万円」ということになります。
家庭に合わせたお小遣い制度をこころがけましょう
共働きと専業主婦の家庭で、お小遣いの制度や考え方の違いはありますか?
あると思います。共働き家庭の方が、お小遣いに対して少し収入に余裕ある場合は、寛容な考えもあるように思えます。
ここで紹介しましたお小遣い額は、あくまで目安の金額。
必ずしも平均に合わせなければならないというわけではありませんし、平均額を理由にお小遣いの額を無理やり設定するのは理想的とも言えません。
何より大切なのは、「月々の収入額」「生活環境」「職場環境」です。
これらを考慮してどこまでをお小遣いとして賄うか?をしっかり話し合って決めることです。
「散髪や身だしなみ(服装)は社会的マナー等の理由で整える必要があるので、生活費から出す」
「タバコやビールは、個人の気分によって必要か不要か決まるので、お小遣いから出す」
日常生活に影響があるかどうかを判断基準にすると分かりやすくなってきます。 お互いの意思疎通を怠れば「毎日頑張って働いている」旦那さんや、「欲しいものがあっても我慢している」奥さん、お互いにストレスが溜まる原因になりかねませ。
せっかくお小遣いを使うなら、気持ちよく自由に使いましょう。
どう生きていくか、どう生きていきたいかを夫婦間でしっかり話し合い、納得できるお小遣いの金額を二人で決めることが大切です。