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若い世代の中には、給与から一定額を貯めている人もいれば、毎月使い切っている人もいるでしょう。
まだ20代、給与も多くないし、と考える人も多いかもしれません。ここで、同年代の人はどのくらい貯めているのでしょうか。
金融広報中央委員会「知るぽると」の調査によると、20代の貯蓄は平均で165万円、中央値で71万円となりました。
金融資産保有額 | ||
平均 | 中央値 | |
20歳代の世帯 | 165万円 | 71万円 |
全体平均 | 1,139万円 | 419万円 |
【参考】金融広報中央委員会:1世帯当たり金融資産保有額(2019年/令和元年)
データの「中央値」とは、データを順に並べた時に中央に位置する数値です。
このデータによると、20代の層は全体平均よりも貯蓄が少ないことを表しています。これらの金額を今の自分と比較して、どのように感じますか。
今回は20代から貯め始める必要性や、貯金の目標金額、失敗しない貯め方についてお話しします。
なぜ若い時期から貯める必要があるのか
「給与を自由に使えたら」「のびのびと暮らせたら」だれしもそのような気持ちがあるでしょう。
しかし企業の状況によっては給与に大きな変化が起きますし、年齢とともに人生の転換期もやってきます。
ケガや病気も中高年だけのものではありません。独身でもマイホーム購入を目指す人も出てきます。結婚する人は支出も格段に増えていくでしょう。
このように人生にはどのような変化が起こるか分かりません。つまり今月もらった給与は将来の生活費も兼ねていると言えます。
毎月給与がはいったら全て消費・浪費していては、いざという時にまとまった金額を用意出来ません。そのため、もしもの時の為にも若い時期からお金をためておく事が重要です。
20代の平均年収の変化
貯金が大切だと分かっていても、20代では毎月の給与にそれほど余裕がないと感じる方もいるでしょう。20代は給与アップの最初の段階にあります。
20代前半から後半にかけの収入の変化を見てみましょう。
年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
20~24歳 | 275万円 | 241万円 |
25~29歳 | 383万円 | 309万円 |
【参照】国税庁「民間給与実態統計調査(平成30年9月発表、平成29年分)」
20歳前半と比べ後半は、平均で男性約100万円、女性で約70万円の上昇が見られます。後半になってやっと給与が上がってきたと実感できるかもしれません。
アップした分をご褒美に使いたい気持ちも出てくると思いますが、上昇分を貯金するだけでも数年で数百万円になります。
自分へのご褒美は誕生月やボーナス時期に限定して「貯める」ことを意識すると、数年で大きな成果が見込めるでしょう。
また、今の生活を維持したい、将来も暮らしを変えたくないと考えている人こそ、計画的な貯金を心掛けてください。「今まで通り」をキープするには、環境要因に左右されない確かな基盤が必要だからです。
少額であっても地道に貯金することで、10年後、20年後に大きく役立ちます。貯金を自衛手段として捉えていきましょう。
20代で最低限いくら貯めていると良いのか
人生には「お金の貯め時」があります。独身で安定した給与が得られ、収入をすべて自分の裁量で貯めたり使ったりできる時期です。しかも、20代から30代にかけての時期は、給与が上がりやすいという好条件がそろっています。
まずは全国の同年代と同じくらいの貯金額を目指してみてはいかがでしょうか。例えば
- 中央値の70万円、平均値の160万円
- 100万円などきりのよい額
- もしもに備えて収入の3ヶ月分
などを想定してみましょう。最低限これだけは、という金額は人それぞれでしょうが同年代の多数が貯めている「中央値」であれば、最初のステップとして目標にしやすいと思います。
いつでも使える貯金は非常に心強い存在となります。災害なども含めて不測の事態に備えていきましょう。
失敗せず継続できる貯金の準備
まだ貯金という段階ではない、毎月の赤字を減らすのが先だという方もいるでしょう。また、毎月貯めているけれどボーナスは自由に使いたい人もいれば、ボーナスの時だけ貯めようかなという人もいると思います。
着実に貯めていくには、自分が貯めやすい方法を選んだ方が安定します。そのため、ここからは貯金を無理なく継続するための最初の準備についてご紹介します。
(1)先取り貯蓄で貯金を自動化
給料から貯金分を先取りする「先取り貯蓄」は、一度の設定で貯金を自動化できます。
「財形貯蓄」「社内預金」などの制度がある場合は、給与からの天引きを利用しましょう。現在、赤字が気になる…という方は、少額からスタートすることがポイントです。
また、銀行などの自動積立制度は、指定した日にち・金額で普通預金から定期預金へ振替えできます。残りの給与で生活をまかなう練習になりますし、払い出すのに手間がかかるという環境も貯金の管理に有効です。
(2)銀行口座を支払い用・貯める用に分けて管理
何となく銀行口座を複数所有しているかもしれませんが、大きく分けて「使う口座」と「貯める口座」に役割を分けると入出金を管理しやすくなります。
給与振込口座は「使う口座」にして、光熱費やクレジットカード決済、保険料など各種引き落としに利用します。
「貯める口座」には、自動積立を設定するなど、お金が入る専用口座と考えます。普段は少額の自動積立でも、ボーナスの時にまとまった金額を定期預金化すると貯まるペースも上がります。
定期預金口座は払い出しにくい一方で、千円以上からいつでも入金できるという貯めやすさを持っています。
また、車の維持費専用の通帳を作ったり、旅行資金用・住宅資金用として個別に通帳を作っておくと、目的もはっきりして貯めるモチベーションにもつながります。
(3)支出のチェックと適正化
毎月の生活費でいっぱいだと思っていても、支出を見直すと減らせそうな項目が見つかるかもしれません。
携帯電話やインターネットプロバイダーなどの通信費、動画配信サービス、保険関係についても、改善点や不要な付加契約はないでしょうか?
サービス比較や手続きが面倒なケースもあるでしょうが、1つ1つ取り組むことで、その分だけ貯金に転換できます。
毎月の支払い管理には、手軽に集計できる家計簿アプリもおすすめです。支出を適正化して貯金に変えていきましょう。
収入・貯蓄の視点を全国水準に変えてみる
貯めていく上で意外に難しいのが、日々の暮らしを「変える」ことかもしれません。
「同僚もそれほど貯めてないような話をしている。」「ランチはみんなで出かけるから断れない。飲み会も割り勘だし。」など周囲に合わせざるを得ない環境もあるかもしれません。
では、ここで全国の貯蓄データを見てみましょう。以下の表は金融広報中央委員会が調査した都道府県データで、主な都市を抽出したものです。
全世帯・ 都道府県別 | 年間収入 (1世帯当たり) | 貯蓄残高 | 年間収入に対する 貯蓄額の割合 |
---|---|---|---|
東京 | 814万円 | 1,418万円 | 1.74 |
愛知 | 747万円 | 1,428万円 | 1.91 |
大阪 | 656万円 | 1,032万円 | 1.57 |
福岡 | 642万円 | 929万円 | 1.44 |
全国平均 | 706万円 | 1,179万円 | 1.67 |
地域により企業の数や規模にも差があるため、給与にも差があるでしょう。しかし政令指定都市の間でも1世帯当たりの年間収入にこれだけの差があります。
平均貯蓄額は全世帯・全年代のものですが、年間収入に対する割合を算出すると、愛知県では約2年分を貯めていることが分かります。
お金の使い方を変えにくいと感じている時ほど思い切りが必要です。周囲の人の中にはいなくても、世の中にはしっかり貯めている人もいます。視点を高く持つことで、お金の使い方に新たな発見が出てくるかもしれません。
まとめ
貯金は仕組み化することで習慣となり、着実に負担なく貯めていくことが可能です。長い時間をかけることで、総額も着実に増えていきます。
ただ中には、なかなか貯金が習慣化できない方もいると思います。その場合は、https://at-seminar.net/などのセミナーに参加してみてください。
自分に合ったお金とのかかわり方を学べますし、次のステップとして資産運用という選択肢もあります。人生の柱となるお金について知識を獲得し、貯蓄に活かしていきましょう。