財形貯蓄制度とは?貯蓄が苦手な人におすすめの制度

この記事の監修

手塚 亜図夢(てづか あとむ)

手塚 亜図夢(てづか あとむ) ファイナンシャルプランナー

株式会社 スマイル ファイナンシャルプランナー・マネージャー
トータル・ライフ・コンサルタント(TLC)生命保険協会認定FP 2017年~ Professional Agent(プロフェッショナル・エージェント)認定 2017年~ 業界世界最高基準:MDRT会員 認定

大学卒業後、神奈川県のディーラー(国内メーカー)に入社。
その後、株式会社スマイルに入社。
生命保険のコンサルティング ・ 資産形成の個別相談 ・ 投資不動産の相談などを主な仕事としている。
趣味は野球・登山・車/バイク。

「日々きちんと節約を心がけているのに、全然効果が見えない」
「何度か貯金にトライしてみたけど、長続きしなかった」

貯金や貯蓄を増やしていくにあたり、皆さんにもきっとこのような心当たりがあるのではないでしょうか。

収入が増えたのはいいものの、そのぶん支出も大きくなってしまって結局貯蓄が出来ないままだったり、貯金をした方がいいと頭では分かっていても、どうせ続かないからと諦めてしまったりする人も多いと思います。

そんな人にオススメしたいのが、財形貯蓄という方法です。

どこかで聞いたことのある人も、「何それ?」という人も、ぜひここで財形貯蓄制度について知ってほしいと思います。先取り貯蓄の王道と言われている「財形貯蓄制度」について解説していきます。

財形貯蓄とは

そもそも財形貯蓄とは、福利厚生の為に企業が導入する毎月の給与と一時金(ボーナス)から一定額を天引きして預け入れる貯蓄制度のことです。

もう少しざっくりいうと、自分ひとりで全てを管理しなくても先取り貯蓄が簡単に出来てしまう便利な制度です。

財形貯蓄制度を導入している企業に入社すると、この制度を活用した先取り貯蓄ができます。

どんな特徴があるの?

給料が入ったらすぐに生活や趣味のために使い、残ったお金を貯蓄に回していく、というやり方を「成り行き貯蓄」と呼びます。

しかし、それではなかなかお金は貯まっていきません。お金が貯まらないどころか、常に「少しでも節約・貯蓄しなければ」という意識が強く働いてしまいます。そうなれば、貯蓄すること自体がストレスになってしまいますよね。

財形貯蓄制度を活用すれば、毎月支払われる給与のうちの何割かが真っ先に貯蓄へ回され、残ったお金で生活していくことになるので、会社を通じての先取り貯金ができます。ゆえに、ある程度気持ちよく自分のお金を使いながら貯蓄もできるというサイクルが出来上がります。

どこで手続きすればいいの?

財形貯蓄制度は、制度を導入している会社で手続きを取り、任意で加入すれば誰でも利用することが出来ます
勤め先が変わった方や、新入社員の方などは特に、担当部署の方や会社の先輩に聞いてみてください。

財形貯蓄は、給料の何割程度に設定すれば良いのでしょうか?

2割程度できたら良いと思います。
ただ、財形貯蓄以外の方法で貯蓄する方法もありますので、その他の方法で貯蓄する金額も考慮して財形貯蓄の金額を設定しましょう。

財形貯蓄制度には3種類ある

財形貯蓄制度には「一般財形貯蓄」「財形住宅貯蓄」「財形年金貯蓄」の3種類あり、目的別に貯蓄していけるという特徴があります。分かりやすくするために、中央労働金庫(ろうきん)から引用しながら解説していきます。

一般財形貯蓄

一般財形貯蓄は自由に引き出しが可能です。
ただし条件があり、自由に引き出せるのは積立開始から1年以降に限られます。また、企業によっては引き出し時期に制限がかかる場合もあるので、よく確認するようにしてください。

利用可能者

財形制度導入企業に勤めている人

預け入れ方法

毎月の給与と一時金(ボーナス)からの天引きによる預け入れ

積立期間

3年以上

税金

一般の預貯金と同じように利子所得に20.315%の課税あり

財形住宅貯蓄

財形住宅貯蓄は「住宅」という文字が名前に入っている通り、マイホームの購入やリフォーム資金を貯めるのに最適です。これは条件付きで非課税になります。

利用可能者

満55歳未満の財形住宅制度導入企業に勤めている人。契約時に55歳未満であれば、初回入金時に55歳を超えていても契約は可能。一人につき1契約まで。一般財形、財形年金との併用可能。

預け入れ方法

毎月の給与と一時金(ボーナス)からの天引きによる預け入れ

積立期間

5年

引き出しの要件

  1. 新築・中古住宅(一戸建て・マンション)の購入
  2. 工事費が75万円を超える増改築など
  3. 建て替え・買い替え

上記以外にも要件があるので、詳しくは要問い合わせ

税金

要件を満たした住宅取得やリフォームの費用に充てるために払い出す場合、貯蓄残高550万円(財形年金と合わせて)まで、非課税。

財形年金貯蓄

財形年金貯蓄はセカンドライフに備えた資金作りに最適です。考え方としては、自分で自分の年金(老後資金)を作るという感覚に近いです。こちらも条件付きで非課税になっています。

利用可能者

満55歳未満の財形年金制度導入企業に勤めている人。契約時に55歳未満であれば、初回入金時に55歳を超えていても契約は可能。一人につき1契約まで。一般財形、財形年金との併用可能。

預け入れ方法

毎月の給与と一時金(ボーナス)からの天引きによる預け入れ

積立期間

5年以上

据置期間

年金受取開始日までに、積立終了日から6ヶ月以上5年以内の据え置き期間が必要

受取期間

満60歳以降に5年以上20年以内

受取サイクル

毎月、2ヶ月ごと、3ヶ月ごと、4ヶ月ごと、6ヶ月ごと、1年ごと、から選べる

税金

積立期間中、受取期間中とも、貯蓄残高550万円(財形住宅と合わせて)まで非課税

財形貯蓄のメリット

財形貯蓄をするメリットとしては主に、

  • 給与から天引きされるため、強制的ではあるもののストレスを感じることなく貯蓄していくことが可能になる。
  • 非課税措置が設けられているなど、税的優遇がある。

以上の二点が挙げられます。

自分で管理するのが苦手な人にはうってつけの制度です。

財形貯蓄のデメリット

財形貯蓄もメリットばかりではありません。財形貯蓄を始めるにあたって把握しておきたいデメリットとしては次のものが挙げられます。

  • 利率が低い。(0.01%)
  • 金融機関と企業との取引になるので、社員個人が金融機関を指定して制度を活用することが出来ない。
  • 契約変更の手間が煩雑。(退社時の手続き、お金の出し入れを簡単に行うことがなかなかできない、など)
  • 利用目的別の貯蓄制度なので、他の事柄でお金が必要になった際には原則として使用することができない。
  • 利用できる人が限られてしまう。(勤め先の会社が財形貯蓄制度を導入していないと利用することができないため、自営業の人はこの制度を使えない)

勤め先に財形貯蓄制度が導入されていれば、制度を利用すること自体は誰でも可能です。ですが、ある程度の制限もかかってくるので、すべて自分の考える通りになるということはありません。

財形貯蓄を行うときに気をつけたいポイント

会社を退社する場合、財形貯蓄を解約しなければなりません。
退社による引き出しは目的外の引き出しとして扱われるので、利子分に対する非課税措置が受けられません。

財形住宅貯蓄、および財形年金貯蓄の場合には元本割れする恐れがあります。

ただし、転職先でも財形貯蓄制度を導入していれば、退職後一年以内であれば転職前に積み立てていた分を転職先に移し替えることもできるので、よく確認するようにしてください。

会社に財形貯蓄制度がない場合、財形貯蓄制度に代わる他の貯蓄方法はありますか?

例えば「自動積立定期預金」や「保険」「積立投信」などがあります。
それぞれ大きな特徴がありますので、特徴をしっかりと理解した上で、自分に合った商品の選択をしていきましょう。

自営業の場合、どのように貯蓄すれば良いでしょうか?

自営業の方は会社員の方に比べて将来受け取る年金が少なくなる事も意識する必要があります。
なるべく早いタイミングで資産運用を始めて「お金にも働いてもらう」事を意識しましょう!

まとめ

財形貯蓄制度は「先取り貯蓄」の王道とも言える制度です。

  • 貯蓄をする目的がそれほど固まっていない人は「一般財形」
  • 老後を見据えての貯蓄に励んでいきたい人は「財形年金」
  • いつか自分の家を持ちたいと考えている人は「財形住宅」

など、 ある程度目的別に貯蓄していくことができます。 ご自身が勤務している会社に財形貯蓄制度が導入されているようでしたら、ぜひ活用してみてください!