【FP解説】手取り収入から貯蓄へ何割回すべきか。理想的な割合と人生の貯め時を紹介

この記事の監修

手塚 亜図夢(てづか あとむ)

手塚 亜図夢(てづか あとむ) ファイナンシャルプランナー

株式会社 スマイル ファイナンシャルプランナー・マネージャー
トータル・ライフ・コンサルタント(TLC)生命保険協会認定FP 2017年~ Professional Agent(プロフェッショナル・エージェント)認定 2017年~ 業界世界最高基準:MDRT会員 認定

大学卒業後、神奈川県のディーラー(国内メーカー)に入社。
その後、株式会社スマイルに入社。
生命保険のコンサルティング ・ 資産形成の個別相談などを主な仕事としている。
趣味は野球・登山・車/バイク。

「手取り収入の何%を貯蓄にまわせばよいのか。」「貯蓄に回してる金額の割合は平均的にどれくらいか」

貯蓄をする際に気になる点は、給料の何%を回すかという事。

貯蓄は 年代 、家族構成、生活状況によって貯蓄に回す割合は違います。とはいえ、今の自分が月にどのくらい貯蓄できれば良いか、ある程度の指標は欲しいところ。

本記事では一般的な貯蓄率とケース別にみた貯蓄割合の目安を紹介します。

貯蓄率の平均は30.58%

結論から言うと、誰にでも当てはまる理想的な貯蓄の目安は手取り月収の30%〜35%程度です。

総務省「家計調査 2019年」(2020年5月公開)によると、勤労者世帯の平均収入は月46万1076円、そこから給与やボーナスなどの個人所得から、税金や社会保険料などを差し引いた残りの手取り収入 (可処分所得)は38万305円。

年代世帯人数(人)実収入(円)可処分所得(円)預貯金(円)貯蓄率(%)
29歳以下1.34338,803286,264116,48240.69%
30代2.92598,424422,840144,80934.25%
40代3.32 598,943482,850144,88930.01%
50代2.55591,132466,994123,33226.42%
60代2.32412,683342,71484,82224.75%
70歳以上1.89314,471280,16876,62327.35%
平均2.38461,076380,305115,16030.58%

預貯金は11万5160円なので、平均貯蓄額は30.58%の計算になります。手取り収入から約3割近くを収入に回している人が多いという事です。

最低でも手取りの10%は貯蓄にまわす

先述したように、手取り月収の何割を貯蓄へ回すかは家族構成やライフスタイルなどによって異なってきます。 約3割回せる人とそうでない人がいます。

愚直に平均通り3割回したところで、家計を圧迫しかねません。ですので貯蓄をするときは、最低でも手取り月収の10%をまわすようにしましょう。

早いうちに手取り月収3ヶ月分の貯蓄を確保しよう

なるべく早いうちに手取り月収3ヶ月分の貯蓄をつくり、常に確保するようにしておいてください。

仮に自分が事故や病気などで働けなくなった時のリスクに備えるためです。

また、会社員が自己都合で退職すると、失業保険を受給できるのは「7日間の待期期間と3ヵ月の給付制限期間の後から」。なので当面の生活費を確保するためにも3か月分の貯蓄は確保しておくのが賢明です。

手取り額の1割を回しておけば、10カ月で1か月分、2年半で3か月分の手取り収入を蓄えておけます。 ボーナスからも多少貯蓄に回しておくことで、短期間で3か月分は達成できるでしょう。

確実に毎月貯蓄する方法は、必ず貯める金額を決めて、給料が入ったら先取り貯蓄をすることです。

貯蓄が上手な人は自動引き落とし制度を活用していますね。

例えば財形貯蓄、年金保険、積立投信等々、ご自身に合った仕組みを選択しましょう。

 ケース別に見た貯蓄割合の目安

次にケース別の貯蓄割合の目安をざっくりと見てみましょう。

※なお、ここではボーナスを含めず、月々の手取り月収のみで考えます。

独身で実家暮らし、貯蓄率30~40%程度

世帯主の年代別に貯蓄率をみると、一番高いのが29歳以下の40.69%。世帯人数も1.34人なので、独身の方の割合が多い世代。この時期が一番の貯め時といえます。

30代、40代以降は家庭を持つことから、教育費などに回す金額が増え貯蓄率は下がっていきます。なので独身時代、特に実家暮らしで家賃や食費などの支払い負担がない人は、手取り月収の30〜40%を目標にしましょう。

結婚してからも自分名義の貯蓄があれば心強い味方になってくれると思います。

独身でひとり暮らし、貯蓄率5~10%程度

家賃や食費など、全てを一人でやりくりしなければならない人は手取り月収の5〜10%を貯蓄目標にしましょう。

一人暮らしを始めたばかりの人は、最低でも5%の貯蓄を目標に頑張り、生活に慣れてきたら徐々に目標とする割合を引き上げていくのが理想です。

共働き夫婦、貯蓄率20~40%程度

結婚をし、夫婦2人の世帯は、手取り月収の20~40%を目安に頑張りましょう。共働きの場合、独身の時同様、人生の貯め時です。

比較的貯蓄しやすいライフスタイルにあると言えるので、 今後備えるライフイベントイベントのために、夫婦でしっかりと話し合い、協力しあって貯蓄を頑張ってみてください。

専業主婦世帯なら20~30%、共働き世帯なら30~40%が目安です。

子育て期、共働き夫婦、貯蓄率10〜15%程度

子どものいる共働きの夫婦は、子供が大きくなるにつれて教育費の負担も増えてきます。特に子供が大学生になることは教育費がピークになります。

家計を黒字で維持するのも困難かもしれません…

なので、大学入学まではある程度家計を支えれる程度の貯蓄はしておきましょう。

子どもが小さいうちや、教育費の負担が大きいときには、無理な目標設定はせず、手取り月収の10〜15%を目標にやりくりしていきましょう。

自営業・派遣社員など、ボーナスのない働きかた貯蓄率15〜20%程度

自営業や派遣(契約)社員など、ボーナスのない働き方をしている人は、ボーナスによる上乗せができない分、月々コツコツと貯蓄の底上げをしておく必要があります。

なので手取り月収の15%〜20%を貯蓄に回せれば理想的です。

貯蓄の割合を見直すタイミングは、昇給をした場合など、収入が変わったタイミングです。

増えた収入のうちの5割を目標に貯蓄に回すと良いですよ。

人生に3回の「貯めどき」

人生には3回の「貯めどき」があります。

1回目:独身時代

働き始めてから結婚するまでの独身期間です。

社会人で独身、かつ実家暮らしという状況は、もっとも貯蓄がしやすいと言えます。支出のほとんどが個人的なものになるので、抑えられるところは大きく抑えることができるからです。

実家を出て一人暮らしをしている人も、この時期に貯蓄するクセをつけておけば後々楽になるので、無理のない範囲で頑張りましょう。

2回目:共働き時代

結婚してから子どもを授かるまでの期間です。

結婚直前や結婚直後は何かとお金がかかります。ですが、生活が落ち着いてきた頃に家計管理を始めれば、収入から貯蓄へまわせるお金にも余裕が出てくるはず。

子どものいない時期だからこそ、先々のライフステージを見越しつつ、二人で協力して貯蓄を頑張ってみましょう。そうすれば大きく貯蓄を増やせる時期になってきます

3回目:定年前

子どもの教育費がかからなくなってから定年退職するまでの期間です。

子どもが自立すれば、必然的に教育費も軽減されます。これを機に貯蓄を再開していきましょう。

この時期にどれだけ貯蓄を頑張れるかで、老後の生活ぶりも変わってきます

貯めどきに訪れる落とし穴

ただし、これらの3回の貯めどきには落とし穴があります。 お金を貯めやすい時期というのは、すなわち家計に余裕ができる時期ということです。

つまり財布の紐が緩みやすくなり、貯蓄どころか浪費してしまう恐れがある時期です。

普段頑張っている自分へのご褒美も大切ですが、貯めどきは貯蓄を頑張るチャンスであるということを忘れず、メリハリのついた生活を心がけるようにしましょう!

貯蓄と生活を両立させるためのポイント

貯蓄しながら日々の暮らしも楽しむためのポイントは 「収入」-「貯蓄」=「支出」を確立させる事です。

支出が確立出来たら、収入があったら先取りして貯蓄分に回せるようになります。

そうすると貯蓄することによる安心感も得られ、使いたい事に使うお金ができるようになるでしょう。

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