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「手取り収入の何%を貯蓄にまわせばよいのか。」「貯蓄に回してる金額の割合は平均的にどれくらいか」
貯蓄をする際に気になる点は、給料の何%を回すかという事。
貯蓄は 年代 、家族構成、生活状況によって貯蓄に回す割合は違います。とはいえ、今の自分が月にどのくらい貯蓄できれば良いか、ある程度の指標は欲しいところ。
本記事では一般的な貯蓄率とケース別にみた貯蓄割合の目安を紹介します。
【年代別】貯蓄率の平均は?
総務省の「2022年家計調査」によると、勤労者世帯の平均収入は月53万5,177円、そこから給与やボーナスなどの個人所得から、税金や社会保険料などを差し引いた残りの手取り収入 (可処分所得)は43万5,001円。
年代 | 世帯人数(人) | 実収入(円) | 可処分所得(円) | 預貯金(円) | 貯蓄率(%) |
---|---|---|---|---|---|
29歳以下 | 1.26 | 367,768 | 310,259 | 141,697 | 45.67% |
30代 | 2.76 | 528,819 | 438,910 | 169,258 | 38.56% |
40代 | 3.10 | 617,706 | 499,198 | 160,697 | 32.19% |
50代 | 2.52 | 614,617 | 485,893 | 137,418 | 28.28% |
60代 | 2.26 | 441,014 | 362,219 | 94,517 | 26.09% |
70歳以上 | 1.95 | 379,820 | 335,113 | 116,130 | 34.65% |
平均 | 2.50 | 535,177 | 435,001 | 140,303 | 32.25% |
預貯金は14万303円なので、平均貯蓄額は32.25%の計算になります。手取り収入から約3割近くを収入に回している人が多いという事です。
このことから、誰にでも当てはまる理想的な貯蓄の目安は手取り月収の30%〜35%程度といえます。
【世帯別】貯蓄率の平均は?
総務省の「2022年家計調査」によると、世帯人員別の貯蓄率は以下の通りです。
単身世帯の方が貯蓄率は高い傾向にあります。
世帯 | 可処分所得(円) | 預貯金(円) | 貯蓄率(%) |
単身世帯 | 302,358 | 116,665 | 38.58% |
二人世帯 | 422,879 | 122,486 | 28.96% |
三人世帯 | 510,813 | 165,778 | 32.45% |
四人世帯 | 549,106 | 175,165 | 31.90% |
【年収別】貯蓄率の平均は?
総務省の「2022年家計調査」によると、年収別の貯蓄率は以下の通りです。
年収が高くなるほど貯蓄率も高くなることがわかります。
年収 | 世帯人数(人) | 可処分所得(円) | 預貯金(円) | 貯蓄率(%) |
---|---|---|---|---|
374万円以下 | 1.49 | 222,597 | 64,287 | 28.89% |
374〜520万円 | 2.11 | 321,462 | 106,799 | 33.22% |
520〜672万円 | 2.64 | 395,996 | 135,131 | 34.12% |
672〜890万円 | 3.04 | 505,128 | 177,726 | 35.18% |
890万円〜 | 3.22 | 729,824 | 282,791 | 38.75% |
最低でも手取りのどれくらいを貯蓄にまわす?
先述したように、手取り月収の何割を貯蓄へ回すかは家族構成やライフスタイルなどによって異なってきます。 約3割回せる人とそうでない人がいます。
愚直に平均通り3割回したところで、家計を圧迫しかねません。ですので貯蓄をするときは、最低でも手取り月収の10%をまわすようにしましょう。
早いうちに手取り月収3ヶ月分の貯蓄を確保しよう
なるべく早いうちに手取り月収3ヶ月分の貯蓄をつくり、常に確保するようにしておいてください。
仮に自分が事故や病気などで働けなくなった時のリスクに備えるためです。
また、会社員が自己都合で退職すると、失業保険を受給できるのは「7日間の待期期間と3ヵ月の給付制限期間の後から」。なので当面の生活費を確保するためにも3か月分の貯蓄は確保しておくのが賢明です。
手取り額の1割を回しておけば、10カ月で1か月分、2年半で3か月分の手取り収入を蓄えておけます。 ボーナスからも多少貯蓄に回しておくことで、短期間で3か月分は達成できるでしょう。
確実に毎月貯蓄する方法は、必ず貯める金額を決めて、給料が入ったら先取り貯蓄をすることです。
貯蓄が上手な人は自動引き落とし制度を活用していますね。
例えば財形貯蓄、年金保険、積立投信等々、ご自身に合った仕組みを選択しましょう。
ケース別に見た貯蓄割合の目安
次にケース別の貯蓄割合の目安をざっくりと見てみましょう。
※なお、ここではボーナスを含めず、月々の手取り月収のみで考えます。
独身で実家暮らし:貯蓄率30~40%程度
世帯主の年代別に貯蓄率をみると、一番高いのが29歳以下の40.69%。世帯人数も1.34人なので、独身の方の割合が多い世代。この時期が一番の貯め時といえます。
30代、40代以降は家庭を持つことから、教育費などに回す金額が増え貯蓄率は下がっていきます。
なので独身時代、特に実家暮らしで家賃や食費などの支払い負担がない人は、手取り月収の30〜40%を目標にしましょう。
結婚してからも自分名義の貯蓄があれば心強い味方になってくれると思います。独身でひとり暮らし:貯蓄率5~10%程度
家賃や食費など、全てを一人でやりくりしなければならない人は手取り月収の5〜10%を貯蓄目標にしましょう。
一人暮らしを始めたばかりの人は、最低でも5%の貯蓄を目標に頑張り、生活に慣れてきたら徐々に目標とする割合を引き上げていくのが理想です。
共働き夫婦:貯蓄率20~40%程度
結婚をし、夫婦2人の世帯は、手取り月収の20~40%を目安に頑張りましょう。共働きの場合、独身の時同様、人生の貯め時です。
比較的貯蓄しやすいライフスタイルにあると言えるので、 今後備えるライフイベントイベントのために、夫婦でしっかりと話し合い、協力しあって貯蓄を頑張ってみてください。
専業主婦世帯なら20~30%、共働き世帯なら30~40%が目安です。
子どものいる共働き夫婦:貯蓄率10〜15%程度
子どものいる共働きの夫婦は、子供が大きくなるにつれて教育費の負担も増えてきます。特に子供が大学生になることは教育費がピークになります。
家計を黒字で維持するのも困難かもしれません…
なので、大学入学まではある程度家計を支えれる程度の貯蓄はしておきましょう。
子どもが小さいうちや、教育費の負担が大きいときには、無理な目標設定はせず、手取り月収の10〜15%を目標にやりくりしていきましょう。
自営業・派遣社員などボーナスのない働き方:貯蓄率15〜20%程度
自営業や派遣(契約)社員など、ボーナスのない働き方をしている人は、ボーナスによる上乗せができない分、月々コツコツと貯蓄の底上げをしておく必要があります。
なので手取り月収の15%〜20%を貯蓄に回せれば理想的です。
貯蓄の割合を見直すタイミングは、昇給をした場合など、収入が変わったタイミングです。
増えた収入のうちの5割を目標に貯蓄に回すと良いですよ。
どうしても貯金できない時はどうすればいい?
どうしても貯金できない場合は、収入のうち5%程度でも構わないので少しずつ貯金習慣を身につけていきましょう。
金融広報中央委員会の「令和4年家計の金融行動に関する世論調査」によると、貯蓄ゼロの世帯は少なくありません。ほんのわずかでも貯蓄を始めることだけで一歩リードできます。
年代 | 貯蓄ゼロの世帯の割合 |
20代 | 42.1% |
30代 | 32.4% |
40代 | 35.8% |
50代 | 39.6% |
60代 | 28.5% |
70代 | 28.3% |
うまく貯金をするコツはある?
貯金の重要性や目安は理解したものの、具体的にどうやって貯めていけば良いのかわからず困っている人もいるでしょう。これまで貯金に失敗してきた人はなおさら気になるのではないでしょうか。
ここでは、うまく貯金習慣を身につける3つのコツをご紹介します。
固定費を見直す
真っ先に取り組むべきなのは固定費を見直すことです。
固定費は毎月発生するため、一度見直すと長期的に見た時にはかなり多くの節約効果を得られます。食費を削った場合のように、生活水準が大きく変わるわけではないので、取り組みやすいのもメリットです。
初めて取り組む人は、格安SIMやプロバイダ、電気・ガス料金、生命保険料の見直しからやってみるのをおすすめします。これらは、契約する会社や商品を変えるだけで、料金が大きく変わるケースも珍しくありません。
先取り貯蓄をする
さまざまな支出をして余った分を貯蓄しようとしても、お金があればあるだけ使ってしまい、うまくいかなかった経験を持っている人は多いでしょう。
そんな人には先取り貯蓄がおすすめです。先取り貯蓄は、収入が入ったタイミングで先に貯金にお金を回し、残ったお金で生活するやり方です。
銀行の自動積立サービスを利用すれば、毎月同じ日に自動的に銀行口座からお金を移動し、積み立てることもできます。
貯蓄しやすい時期に貯蓄しておく
貯金をするタイミングも重要です。
いざ貯蓄を始めようと思っても、子どもの教育費がかかるタイミングや、片働きになったばかりのタイミングなどでは、出費を削るのは難しくなかなかうまくいかない可能性があります。
収入に余裕のあるタイミングでためておくのが大切です。
具体的な「貯めどき」は、以下で解説します。
人生に3回の「貯めどき」
人生には3回の「貯めどき」があります。
1回目:独身時代
働き始めてから結婚するまでの独身期間です。
社会人で独身、かつ実家暮らしという状況は、もっとも貯蓄がしやすいと言えます。支出のほとんどが個人的なものになるので、抑えられるところは大きく抑えることができるからです。
実家を出て一人暮らしをしている人も、この時期に貯蓄するクセをつけておけば後々楽になるので、無理のない範囲で頑張りましょう。
2回目:共働き時代
結婚してから子どもを授かるまでの期間です。
結婚直前や結婚直後は何かとお金がかかります。ですが、生活が落ち着いてきた頃に家計管理を始めれば、収入から貯蓄へまわせるお金にも余裕が出てくるはず。
子どものいない時期だからこそ、先々のライフステージを見越しつつ、二人で協力して貯蓄を頑張ってみましょう。そうすれば大きく貯蓄を増やせる時期になってきます。
3回目:定年前
子どもの教育費がかからなくなってから定年退職するまでの期間です。
子どもが自立すれば、必然的に教育費も軽減されます。これを機に貯蓄を再開していきましょう。
この時期にどれだけ貯蓄を頑張れるかで、老後の生活ぶりも変わってきます。
貯めどきに訪れる落とし穴
ただし、これらの3回の貯めどきには落とし穴があります。 お金を貯めやすい時期というのは、すなわち家計に余裕ができる時期ということです。
つまり財布の紐が緩みやすくなり、貯蓄どころか浪費してしまう恐れがある時期です。
普段頑張っている自分へのご褒美も大切ですが、貯めどきは貯蓄を頑張るチャンスであるということを忘れず、メリハリのついた生活を心がけるようにしましょう!
保険を見直して将来に向けた貯蓄の計画を立てるのも有効な手段です!
貯蓄と生活を両立させるためのポイント
貯蓄しながら日々の暮らしも楽しむためのポイントは 「収入」-「貯蓄」=「支出」を確立させる事です。
支出が確立出来たら、収入があったら先取りして貯蓄分に回せるようになります。
そうすると貯蓄することによる安心感も得られ、使いたい事に使うお金ができるようになるでしょう。
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