【第1回/前回】貯蓄と貯金の違い分かりますか?重要なのは貯蓄を増やすこと!
前回は「貯金よりも貯蓄」という考え方が必要な理由についてお話しました。今回は、貯蓄を成功させるために知っておきたい、お金の役割についてお話していきます。
貯蓄を増やすために節約するのは間違いではありませんが、節約すれば順調に貯蓄が増えていくかというと、必ずしもそうではありません。必要なお金は使い、無駄な使い道をなくすことが大切です。
この記事では、貯蓄や節約を始める前に理解しておきたいお金の使い道についてお話していきます。ポイントは「消費」「浪費」「投資」の違いを理解することです。
お金の3つの使い道
お金の使い道は大きく分けると「消費」「浪費」「投資」の3つに区分されます。それぞれ特徴が異なり、特に「浪費」と「投資」の区別が難しく、本人が意識しない限り上手に使い分けることができません。
消費
日々生活していく上で欠かせないモノの購入や使用料です。家賃、食費、通信費、交通費、水道光熱費などが該当します。
浪費
必要以上の贅沢や、無駄な出費のことです。衝動買いして一度も使わなかった物の代金、自分に全くメリットのない飲み会の支出などが該当します。
投資
後々リターンが見込まれる投資費用のことです。株式投資、スキルアップのためのセミナー費、書籍費などが該当します。
理想的な支出の比率
極端に投資を増やせばいいのかと言えばそうではなく、家計管理をする上で理想的な支出の比率は、 「消費」70%「浪費」5%「投資」25%と言われています。
毎月、消費85%、浪費9%、投資6%という割合であれば、働いて得たお金を生きるためだけに使い、投資的な使い方ができていないことが分かります。
このように、自身のお金の使い方を振り返り、バランスを整えていくことが大切です。
消費の割合が高い場合、どのように理想比率に近づければ良いですか?
体重計に毎日乗ることがダイエットという言葉があるように、まずは現状把握をすること、そして使ったものを記録することから始めましょう。
記録することで自分自身の意識も変わってくるかと思います!最近は色々な無料アプリもありますので、使いやすいものを探してみてくださいね!
3つの区分を判断する方法
「消費」「浪費」「投資」の3つの区分のどれに該当するか、判断に迷うケースが多々あります。
例えば旅行は、娯楽費として「浪費」に分類されるとも考えられますが、リフレッシュして新たな気持ちで仕事をするための「投資」の側面もあります。
痩せるための「自己投資」として買ったダイエット器具や健康食品を使わなかったとしたら、それは「投資」ではなく衝動に駆られて買ってしまった「浪費」ということになります。
分類に主観的な要素が入ってくるところもありますが、過去の支出の実績から、冷静に見極めていきましょう。
娯楽に関する費用の仕分けに迷う人が多いと聞きます。浪費と投資の差はなんでしょうか?
難しい質問ですね・・・
お酒を飲む交流会がAさんにとっては「浪費」だけど、Bさんにとってはビジネスに繋がる「投資」かもしれない。
ご自身の健康や収入アップに繋がるようなものを私は「投資」と定義しています。
自分自身だけで判断すると甘くなりがちなので、FPさんに相談しながら区分けしていくのがいいでしょう。
浪費を減らすには?
支出を減らすには、やみくもに節約するのではなく、あくまで「無駄な支出(=浪費)」を減らすという意識が大切です。
生活を不便にしてまで入浴時の水道代を徹底的に減らそうとしたり、1円でも安く買うためにスーパーを何軒も回ったりするのは、労力に対して金銭的利益が大きいとは言えません。そこに使う時間や労力を、全体像を見て支出の計画を立てることに充てるべきです。
浪費を減らすために必要なのは”何が浪費かをしっかり判断できるようになること”ですが、そこが最もむずかしく、人によって異なるポイントでもあります。
そこで次回は、浪費と投資の違いを見極め、無駄使いを減らすための方法についてお話ししていきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
この記事では、お金の3つの役割について解説してきました。
今回のポイントは次の通りです。
- お金の使い道は消費、浪費、投資に分かれる
- 消費は生活に必要な日常の出費
- 浪費は無駄な飲み会や衝動買いなど、その場限りの出費
- 投資はセミナーや資産運用など、将来価値を生む出費
- 理想的な支出の比率は消費70%、浪費5%、投資25%
次回は、浪費と投資の違いを理解して無駄遣いを減らす方法と、効果的な家計簿の付け方についてお話していきます。
イラスト:萩原まお
maohagiwara.com(https://maohagiwara.com/)
Twitter (https://twitter.com/mao_hagi)