複利の説明から
72の法則を説明するにあたり、まずは「複利」についてお話しします。
複利とは元本に付いた利息に利息がつくことです。
例えば、複利で年10%の利息がつく銀行へ元金100万円を預金したら、1年後は110万円となり、10万円の利息がつきます。
この時点では、複利も単利も同じ利息を得られることになりますが、複利の場合2年目からは100万円と利息10万円の合計110万円に、更に10%の利子がつき、2年目に11万円の利息が受け取れます。
72の法則はいつ・どんなときに役立ちますか?
資産を増やしていくのに、金利と時間がどのような関係を持つのかを『知る』のには役立ちます。
手元資金を2倍に増やしたい時は何%の利回り?
では、現在手元資金が100万円あるとして、10年で2倍に増やしたいと考えた時に、運用利回りは何%あればよいでしょうか。
このような複利の計算は、複雑で難しいイメージがありますが、「72の法則(複利の法則)」を使うことで、手元資金が2倍になる期間としての目安をすぐに算出できます。
72÷金利(%)≒お金が2倍になるまでの期間(年)
上記の式が、72の法則(複利の法則)です。この法則を踏まえて、例えば、100万円を金利6%で運用する場合にお金が2倍になるまでの期間は次のようになります。
72÷6%=12年
100万円が2倍の200万円になるまで、約12年が必要です。
では、国内の銀行の1年定期預金で同じく100万円を運用しようとした場合、お金が2倍になるまでの期間はどれくらいでしょうか。金利0.01%として算出します。
72÷0.01%=7200年
このような状況で運用しようとすると、100万円が2倍の200万円になるまで約7200年かかるということがわかります。
現在いかに低金利で、預金が資産運用には現実的ではないものであるかが明確です。
超低金利の現代、72の法則はなんの目安に使えばいいのでしょうか。
先ほどお答えしたように、まずは『知る』ことの目安にしましょう。
そして、ご自身の『目標(必要)額』と『そこまでの年数』と『投資可能な金額』を算出できれば、72の法則を活用して『〇%の金利商品に投資すれば良い』かの目安になります。
手元資金を2倍にする金利も算出できる
また、72の法則(複利の法則)は次のように変形することができます。
72÷お金が2倍になるまでの期間(年)≒金利(%)
この式を使えば、予定している期間で手元資金を2倍にするためには金利何%で運用すればよいか算出できます。
例えば、24年で手元資金100万円を2倍にしたいと考えている場合、運用に必要な金利は次のようになります。
72÷24年=3%
この場合だと、金利3%で運用する必要があるということがわかりました。
以上のように、72の法則(複利の法則)を用いることで、簡単に「手元資金が2倍になるまでの期間」および「手元資金を2倍にしたい時に必要な金利」の目安を求めることができるのです。
72の法則を思い出すべきシーンはどのようなときですか?
投資先(商品)を選ぶ時ですかね。
高金利の物に投資した方が増えるスピードは速くて魅力的ですが、その分リスクも考慮する必要がありますので、72の法則を思い出し、選ぶべき必要な金利や期間を選択していくのに役立てます。
【複利早見表】倍になる年数を見る
複利で元金1万円を1%~7%で20年運用した場合、資産を倍にする年数は大きく変わってきます。複利の効果を知りましょう。
経過年数(年)\利回り(%) | 1% | 2% | 3% | 4% | 5% | 6% | 7% |
1年 | 10,100 | 10,202 | 10,304 | 10,400 | 10,500 | 10,600 | 10,700 |
2年 | 10,202 | 10,408 | 10,618 | 10,816 | 11,025 | 11,236 | 11,449 |
3年 | 10,340 | 10,618 | 10,941 | 11,249 | 11,576 | 11,910 | 12,250 |
4年 | 10,408 | 10,832 | 11,273 | 11,699 | 12,155 | 12,625 | 13,108 |
5年 | 10,512 | 11,051 | 11,616 | 12,167 | 12,763 | 13,382 | 14,026 |
6年 | 10,618 | 11,274 | 11,969 | 12,653 | 13,401 | 14,185 | 15,007 |
7年 | 10,725 | 11,501 | 12,334 | 13,159 | 14,071 | 15,036 | 16,058 |
8年 | 10,833 | 11,734 | 12,709 | 13,686 | 14,775 | 15,938 | 17,182 |
9年 | 10,941 | 11,970 | 13,095 | 14,233 | 15,513 | 16,895 | 18,385 |
10年 | 11,051 | 12,212 | 13,494 | 14,802 | 16,289 | 17,908 | 19,672 |
11年 | 11,162 | 12,458 | 13,904 | 15,395 | 17,103 | 18,983 | 21,049 |
12年 | 11,274 | 12,710 | 14,327 | 16,010 | 17,959 | 20,122 | 22,522 |
13年 | 11,388 | 12,966 | 14,763 | 16,651 | 18,856 | 21,329 | 24,098 |
14年 | 11,502 | 13,228 | 15,212 | 17,317 | 19,799 | 22,609 | 25,785 |
15年 | 11,618 | 13,495 | 15,674 | 18,009 | 20,789 | 23,966 | 27,590 |
16年 | 11,734 | 13,768 | 16,151 | 18,730 | 21,829 | 25,404 | 29,522 |
17年 | 11,852 | 14,046 | 16,642 | 19,479 | 22,920 | 26,928 | 31,588 |
18年 | 11,971 | 14,329 | 17,024 | 20,258 | 24,066 | 28,543 | 33,799 |
19年 | 12,092 | 14,618 | 17,535 | 21,068 | 25,270 | 30,256 | 36,165 |
20年 | 12,213 | 14,913 | 18,061 | 21,911 | 26,533 | 32,071 | 38,697 |
まとめ
- 複利とは元本に付いた利息に利息が付く事
- 72の法則を使う事で手元資金が2倍になる年数がわかる
- 手元資金を2倍にする金利もわかる