この記事の監修

庄司 良市(しょうじ りょういち) ファイナンシャルプランナー
株式会社FEA
株式会社FEA 首都圏支社 支社長代理 2019年度MDRT成績資格会員
大学卒業後、新車販売の営業として社会人生活をスタート。27歳の時に某外資系生命保険会社にスカウトされ、保険業界へ転職。34歳からは乗り合い代理店へ活動の場を移した。
現在は個人事業主を中心に、生命保険や損害保険を「戦略的に活用する」という観点から幅広い視野で、保障・積立・資産運用・税務対策の提案を行っている。
ファッションマーケット(カメラマン・ライター・スタイリスト)、
ドクターマーケット、エンターテイメント業界(芸能・映画)などの顧客を主に、「法人」「個人」「生命保険」「損害保険」偏りなく活動を行っている。
趣味はフットサル・旅行。
「貯蓄」は、「貯金・預金」の他に保険・株・不動産など「資産運用」で増やす金融資産も含まれます。
「貯金・預金」は、お金を増やすのではなく、文字通り「貯める・預けること」に重点を置いた方法です。
例えば、元本保証といった確実性を重視したものが挙げられます。金融商品としては、普通預金や定期預金、積立定期預金等があります。
※「貯金・預金」でも金利で増えますが、今は超低金利時代なので、ここでは「貯金・預金」は増やすことを目的で行っているとは考えず説明していきます。
「投資」は、貯金・預金のように貯めるのではなく、「増やすこと」に重点を置いた資産運用です。
投資は主に「長期投資」と「分散投資」に分類されます。株や債券、投資信託等が投資の金融商品です。
以上のように貯蓄は「貯金・預金」と「資産運用」に分類されることがわかりましたが、実際には資金が貯まったり増えたりして終わりではありません。それでは、資産運用を行うことで発生するメリットやデメリットには何があるのでしょうか。
資産運用を行って生じるメリットは、第一に資産運用を始める前と比べて資産を増やすことができるという点です。それを踏まえて次のようなことが可能となります。
将来に向けて資産形成が可能

マイホームの購入や子供の養育費、老後の資金等、将来に備えて資産形成をしようとすると多大な金額が必要となります。
そこで、低金利な貯金だけでは達成できない金額でも、資産運用なら少ない利回りで長期的な資産形成が可能となるため、目標金額に達成できる可能性が高くなります。
一方で資産運用のデメリットは、資産を増やすため資産運用を行っているのに、損失が出る可能性があることです。
これは、スムーズに資産運用ができていても、経済が変動し、市場が暴落した場合に資産を失うリスクがあるからです。
これは、資産運用をしていなければ失うことはなかった資産を失うことになるので、デメリットと言えます。
資産運用を始める前に心得として覚えておいた方がいいポイントなどはありますか?
まずはご自身の大切なお金を動かすわけですから、お金や運用に関係する勉強はするべきです。
『投資』と『投機』の違い、『金利』『時間』『預け先』の関係性などを知って、ご自身の目的ごとに上手に商品を選択していくことが大切です。
元本割れが起こる可能性がある

元本割れとは、投資した当時の金額よりも金融商品の価値が落ちてしまうことをいいます。
例えば、株式投資を行う際に、とある株式会社の株価が1万円だとして、それを100株買うと合計100万円となります。
その数年後、同じ株式会社の株価は8千円となり、そこで株価1万円の時に購入した100株は合計80万円の価値に下がってしまいました。
元本割れが起きてしまったらどのように対処すれば良いでしょうか。
運用の途中で元本割れが起こっている場合には、投資商品でも為替商品でも運用実績が下がり続けることは考えにくいですから、焦って解約などせず保有して回復を待つことを勧めます。
外貨商品の場合は、分散して受け取ることで為替に対してはリスクヘッジになる商品もあります。
時間がかかる
普通預金や定期預金のような「預金」は、資産を預けるだけで特に手間がかからないイメージがあるでしょう。
それと同様に「投資」による株や債券等の資産運用も、購入してから放置していればお金が増えるのではないか、と考える方もいるのではないでしょうか。
しかし、資産運用を継続的に行うということは、現在保持している金融商品に関する最新情報を知る必要や、確定申告や資産運用の知識を自ら学ぶ必要があります。
特に目標金額が多額な場合には、それ相応の時間と労力がかかることがあることを踏まえて、資産運用を行うことが大切です。
以上のように、資産運用には収益が必ずプラスになるという保証はありません。資産運用にはメリットとデメリットの両方があると意識して、実際に運用することが大切です。
預金にせよ投資にせよ、どの程度のスパンを想定して資産運用していくのがベストですか?
長ければ長いほど良いです。5年より10年、10年より20年先の目的として想定できれば、その分金利の力は大きくなり、時間によってリスクは小さく出来ます。
個人的には10年程度は運用できる時間があった方が良いと考えます。
まとめ
- 貯金・預金はお金を貯める事・預ける事
- 投資は増やすことに重点をおいた方法
- 資産運用なら少ない利回りで長期的な資産形成が可能
- 資産運用は時間がかかる