年金制度とは|人生100年時代に向け、老後の生活を支える重要な制度

年金制度は老後の生活を支える重要な物。ほとんどの高齢者は年金によって老後資金を賄っているでしょう。「人生100年時代」ならば、老後は現役時代とほぼ同じ期間になるでしょう。

また年金制度は世代間の支え合いですので、老後の期間が長くなるほど現役世代の負担も大きくなるわけです。そのような背景から年金制度が注目されています。

人生100年時代と言われているのは平均余命で示されているため、「自分はそんなに長生きしないだろう」という話ではありません。まずは年金制度を知る前に平均余命についてお話しします。

「人生100年時代」自分は何歳まで生きる?

仕事や生活に忙しい毎日ですが、高齢になり働けなくなったら生活はどうなるだろうかと考えることもあるかと思います。
貯金や投資を行なっている方も多いと思いますが、人生100年時代と言われるように高齢時代は予想以上に長くなっているため、想像ができません。

また、何歳まで生きていくのかは平均寿命で考える方が多いと思いますが、平均寿命でなく平均余命で考えることの方が正しいという考え方もあります。

平均寿命とは

「平均寿命」は、新生児が平均して何才まで生きられるかを示す年齢です。平成29年(2017年)簡易生命表によると平均寿命は男児で81.09歳、女児で87.26歳です。
参考:厚生労働省「簡易生命表」/平成29年(2017年)

前回の東京オリンピックの翌年の昭和40年の平均寿命は男子で67.74歳、女子は72.92歳。
ですので男子は13.35年、女子は14.34年と大幅に伸びています。

平均余命とは

新生児が平均して何歳まで生きられるを示す「平均寿命に」かに対し、 「平均余命」は、ある年齢の方が平均して何歳まで生きられるかを示す数値

平均寿命と比べ、年齢ごとの平均余命の方が大きくなります。

平成29年(2017年)簡易生命表によると 、平成29年に30歳男性の平均余命は51.73年、女性は57.70年。年齢で示すと男子は81.73歳、女性は87.70歳になりそれぞれ平均寿命を上回っています。

現在65歳の女性の方の約半数は、90歳まで生きていけると予想されていますので、30歳の方の多くは100歳まで生きていけると考えられます。

厚生労働省の日本人の平均余命を示す平成29年簡易生命表は、以下のようになっています。カッコ内は、平均して何歳まで生きられるかを示す数値です。

年齢男性女性
0歳81.09年(81.09歳)87.26年(87.26歳)
10歳71.33年(81.33歳)77.50年(87.50歳)
20歳61.65年(81.65歳)67.57年(87.57歳)
30歳51.73年(81.73歳)57.70年(87.70歳)
40歳42.05年(82.05歳)47.90年(87.90歳)
50歳32.61年(82.61歳)38.29年(88.29歳)
60歳23.72年(83.72歳)28.97年(88.97歳)
70歳15.73年(85.73歳)20.03年(90.03歳)
80歳8.95年(88.95歳)11.84年(91.84歳)
90歳4.25年(94.25歳)5.61年(95.61歳)

参考:厚生労働省「簡易生命表」/平成29年(2017年)

ご覧のように、年齢が上がるにつれて、年齢と平均余命を足して得られる、生きていける予想年齢は長くなります。

さらに、近年の医療技術の発達は若年層にとって「人生100年」は現実的となり、100歳を見据えた将来設計が求められる時代になっています。

「年金制度」は長寿時代への備え

長く生きられることは幸せなことですが、長く生きられるようになるとその分の生活費、交際費、加えて、医療費やリフォーム費用などの臨時費用の備えが必要になります。

これから現実的となる「人生100年」を大きく分けると以下の3時代になります。

〇教育時代
多くは高等学校を卒業する18歳から大学卒業までの22歳まで
〇現役時代
教育が終わり仕事に就く。多くは定年の60歳、再雇用などで65歳から70歳まで
〇高齢時代
65歳以降の仕事からの収入がなくなる、あるいは、減る時代

人生100年時代と考えると老後資金を用意できる現役時代と資金を使う高齢時代の期間は、ほぼ同じような年数になります。

現役時代は子育てや住居など生活費以外にも大きな資金が必要となり、加えて老後の資金作りも必要になります。
習慣になると抵抗は少なくなりますが、十分な給与・報酬がない中でお金を貯め続けていくことは大変な決意と努力が必要になります。

さらに、長く続いている低金利時代は「貯金」での資金作りは難しく、 貯金は将来への備えと言うよりも病気やケガなどの臨時費用の準備の役割を担うケースがほとんどです。

年金制度は誰でもできる老後への蓄え

こうした状況を踏まえると、資金作りは投資も視野に入れることが求められ、世界経済の見通しや予測などの情報収拾・活用が欠かせません。
多くの人にとって老後資金作りは困難ですので、誰でもできる老後への備えとして年金制度があります。

年金には保険会社に加入して受給する「民間年金保険」もありますが、加入が義務付けられて、誰もが加入をしている「公的年金保険制度」(以下年金制度)の方が一般的です。

保険という言葉が使われているのは、自己責任だけで積み立てるのではなく加入者全員が協力しあって資金を準備していくことにあります。

その年金ですが、すぐにもらえるわけではありません。年金は何歳からもらえるのでしょうか?実は繰り下げ受給も可能なのです。

そこで次回は年金はいつからもらえるのか、繰り上げ・繰り下げ受給についてお話しします。

まとめ

〇何歳まで生きられるかは平均余命で見ると良い
〇人生100歳は現実的
〇現役時代と老後時代の期間はほぼ同じ
〇貯金は臨時費用の役割、貯金だけで老後資金の確保は困難
〇誰でもできる老後の備えとして年金制度がある

イラスト:熊野友紀子
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