これからの資産形成では、貯金ではなく”貯蓄を増やす”という考え方が大切になってきます。
貯金が「金銭を貯めること」であるのに対して、貯蓄は「財貨を貯めること」です。最近よく聞く株や投資信託、債券などは、貯蓄に含まれます。他に、不動産や金(ゴールド)なども貯蓄になる物の1つです。
なぜ、貯金よりも貯蓄が大切なのでしょうか。この記事では、貯金と貯蓄の違い、今の時代に貯蓄が必要な理由について解説していきます。
貯金と貯蓄の違い
「貯金」とは、金銭を貯めることです。銀行口座に入っているお金やタンス預金、貯金箱に入っているお金などは、貯金ですよね。
一方で「貯蓄」は、お金以外も含めた、価値のある財貨を貯めることです。価値のある財貨とは、現金の他に、銀行に預けているお金、株、投資信託、金(ゴールド)、債券、保険などを指します。
貯蓄は、貯金の一部を現金以外の資産に換えておくこととも言えます。今の時代に資産形成を行うためには、貯金から視野を広げて貯蓄していくという意識が必要なのです。
貯蓄に含まれる資産には、現金の他にどのようなものがありますか?
貯蓄に含まれる資産の定義としては「すぐに現金化ができるもの」と言えます。普通預金の他に短期の定期預金、会社の社内預金、財形貯蓄などが該当するでしょう。
では資産運用を始められるような元手がない場合どうしたらいいのでしょうか。まずは貯金でも問題ありませんか?
資産運用でお金を増やすことも大事ですが、冠婚葬祭や急病などの急な出費で取り崩してしまっては元も子もありません。まずは半年分の生活費を貯めることから始めましょう!
貯蓄の必要性
私たちを取り巻くお金の状況
金融庁が公開した国民の老後の資産に関する指針案「高齢社会における資産形成・管理」には、年金を現在の水準で支給することは難しく、老後の生活費確保のために各人が自助努力をする必要があると記載されています。
夫65歳妻60歳のモデルケースでは、年金受給だけでは生活費が月5万円不足し、平均寿命まで合計すると2000万円以上不足するそうです。
現在は世帯収入も上がっておらず、消費税も2019年10月に10%に増えています。入ってくるお金が少なく、義務として払うお金はどんどん増えることを考えると、生活を維持しながら老後の資金を貯めるのは大変なことです。
なぜ貯金よりも貯蓄なの?
超低金利時代の今、銀行にお金を預けるだけではお金が増えません。それどころか、物価が上昇すれば、今貯めている額面よりもお金の価値が下がってしまう可能性もあるのです。
貯蓄には、現金以外の株や投資信託、金(ゴールド)などの金融資産や財貨が含まれます。これらは運用することで「将来的に価値が高まる可能性のある資産」です。
個人で老後に向けた準備を行わなくてはならない今の状況では、資産の100%を現金で持つのは効率的ではありません。いくつかの金融資産を組み合わせて「増やしていける資産」を所有しておくのが望ましいのです。
日々の生活の中でお金を残すためのコツはなんですか?
計画的に貯蓄が出来ている方が必ず実践していることは、給料が入ったら先に別の口座に移す「先取り貯蓄」です。
貯蓄を増やす第一歩は?
貯蓄を増やすための第一歩は、貯金と変わりません。まずは支出を見直し、毎月の余剰資金を増やすことです。
しかし、貯蓄をする際に「ただ節約すればいい」と思ってしまうのはNG。節約をした結果、効果的に貯蓄を増やせるケースもありますが「節約」は、あくまで「貯蓄」という目的を達成するための方法のひとつです。
毎月余ったお金が残っているというのは貯蓄ではありません。また昔からよくある500円貯金や、お釣り貯金なども楽しみながら出来るので効果的ですよ!
やみくもな節約は生活に支障をきたすこともあり、長期的に見て良くありません。支出を見直すには「必要な支出」と「不要な支出」を正しく判断していく必要があります。そのために必要なのが、お金の役割をきちんと理解しておくことです。これらについて次回の記事で勉強していきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は貯金と貯蓄の違いを解説してきました。
この記事のポイントは次の通りです。
- 貯金はお金を貯めること
- 貯蓄はお金+お金以外の金融資産も貯めること
- 年金だけでは将来が不安
- 超低金利時代に貯金だけでは効率が悪い
- まずは生活の余剰資金を増やしていくことから
次回は、節約を始める前に理解しておきたい消費と浪費と投資の違い、生活における支出の理想的な比率について解説していきます。
イラスト:萩原まお
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