40代の平均年収と貯蓄額は?老後迫る世代の貯蓄方法とは

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連載企画:貯蓄と貯金の違い分かりますか?重要なのは貯蓄を増やすこと!
前回の内容: 30代の平均年収と貯蓄額は?必要な支出の見極め方

40代は子供の手が離れてくる方が多い時期です。
生まれてから保育園に預けている間の数年は比較的子供の出費が多いものの、小学校に上がると公立の場合は教育費の大きな出費は少なくなります。

しかし、子どもが中学生、高校生、大学生の時期は教育方針により教育費の負担が増えます。
子供の成長に合わせ、いつ頃が貯め時か把握しておくことが重要。
進学のためなど目的を決めて「短期的な貯蓄」をするなどの工夫をすると良いでしょう。

40代からの貯蓄で心がけるべきことはどのようなものがあるでしょうか。

30代を超えてさらに収入が上がってくると気が大きくなりがちです。
年収は800万、1,000万あるのに貯金が100万円しかないという家庭をたくさん見ています。
今の生活水準や出費で問題ないのか自分で見直すか、それでも不安な場合はFPさんに一度相談してみるといいでしょう。

40代の平均年収・貯蓄額

〇平均年間収入
756万円
〇平均貯蓄額
1,012万円

総務省統計局が行った家計調査報告(貯蓄・負債編)-2018年(平成30年)平均結果-(二人以上の世帯)の30代の平均収入と貯蓄額

40代に入ると、事情によっては貯蓄と出費のバランスが取りづらくなることがありますが、何に気をつければいいでしょうか。

教育費や娯楽費などが周りに影響される方が多いです。〇〇さん家も塾に行っているから…同期の〇〇くんも家を買ったし…などのケースです。
周りは周り、自分の家計はそれでも大丈夫なのか、しっかり考えましょう!

教育費用の貯蓄は重要

子供の教育費は、公立に行かせるか私立に行かせるかでかなり変わってきます。

〇幼稚園から高校まで公立、国立大学を卒業させた場合の幼稚園から大学卒業までの費用は800万円弱。

〇幼稚園のみ公立、小学校から大学まで私立で、大学は理系に進んだ場合は2000万円程度かかります。

入試のために塾に通わせる場合はその費用もかかります。
特に高校卒業後の進学先での学費は読めないため、教育費用の貯蓄も余裕を持って行うべきです。

晩婚だった場合、お子さんがまだ小さいというケースも多々あります。
その場合は、何に重きを置いて貯蓄を心がけていくべきでしょうか。

そうですね、子供の教育費が終わる頃にはもう老後が近いというケースが多くなっています。
教育費が落ち着いたら老後資金を考えるのではなく、早いうちから少しでも老後資金を準備していくことが大切です。
少額であっても長く積み立てることによってリスクも減り、複利効果も高まりますよ!

130万円の壁

子供の手が離れて、女性であればパートに出始めることも多い時期です。

パート勤務の際、夫の扶養から外れる「130万円の壁」のことは覚えておきましょう。妻のパート収入が130万円以内の場合は、会社員の夫の社会保険の扶養に入ることができ、保険料を払わずに済みます。

130万円以上になると、夫の社会保険の扶養から外れ、別途社会保険に入り、自分で保険料を払う必要があり、収入が大きく目減りします。そのため、 この額を超えないように働く人が多いです。

介護費用の負担は難しい

また、この時期に親の介護が必要になる方もいます。
介護にかかるお金は、介護保険で使える基本的な介護サービスは1割負担で済みますが(一定以上の所得の人は2-3割のこともあり)、その他にもお金がかかってきます。

自宅介護の場合、寝具、おむつ、交通費、自宅の改修費などが必要となり、月当たり3-8万円になります。

施設を利用した場合は、特別養護老人ホームで5-10万円有料老人ホームだと数百万円の入居料に加え月15-30万円かかります。

子供などの支出も多い時期に、親の介護費用を負担するのはかなり厳しいため、親の資産から出してもらうようにした方が良いです。

親の貯蓄や年金所得を知っておき、要介護になる前から親と話し合っておくと良いでしょう。

自身の老後も迫る

また、自身の老後までの時間も迫ってきています。
40歳になると介護保険の第2号被保険者の対象となる年代。介護保険料が給与から引かれるのを契機に老後を意識した貯金を考えていくことが必要です。

現在の資産から定年まで想定される収入と支出を計算して、定年時の資産がどのくらいになるか計算してみましょう。

計算した定年時資産が年金生活に入った時に、平均寿命までいかないうちにマイナスになるようであれば、その不足額を定年までの年数で割ることで、貯蓄額の目安を計算できます。

SMBCコンシューマーファイナンス株式会社が発表した「30代・40代の金銭感覚についての意識調査2019」によると、30代・40代の貯蓄額「貯蓄ゼロ」が昨年比6ポイント上昇の23%になり、平均値が52万円減少しています。

全体30代40代
2018年247万198万316万
2019年195万194万196万
前年比-52万-4万-120万

出典:30代・40代の金銭感覚についての意識調査2019

40代の貯蓄の調整平均額が2018年316万円→2019年196万円と120万円減少しています。景気回復が収入の増加につながらず、貯蓄にあてるお金を消費に回さざるをえない状況となり、40代での貯金が厳しくなっています。

取り巻く状況が厳しいからこそ、早めにお金の問題に腰を据えて向き合い、老後を見据えて、積み立てなどで着実に貯蓄をしていきましょう。

次回は、収入も頭打ちになり、貯蓄がしにくいと言われている50代での貯蓄についてお話しします。
50代の平均年収と貯蓄額は?貯蓄する時に気をつけること

まとめ

〇40代は子供の手が離れてくる時期
〇進学のためなど目的を決めて短期的な貯蓄をする
〇パートをする際、「130万円の壁」を覚えておく
〇親の介護も必要になる方もいる
〇現在の資産から定年まで想定される収入と支出を計算する。

イラスト:萩原まお
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