所得控除の種類とは?知っておきたい15種類の控除を解説

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給与明細書をもらった時に、なぜこんなに税金でお金がとられるの?とがっかりした覚えのある人もいるのではないでしょうか?

日本の税金は、公平に税金を徴収するために、所得が多い人ほど税負担能力があるとみなされ、税額が高くなるシステムになっています。

しかし、世の中にはさまざまな事情を持つ人がいるので、「所得控除」という税負担を軽くする制度があります。そこでこの記事では、知っておきたい所得税控除の種類について解説します。

所得控除の種類は全部で15種類

所得控除の種類は全部で15種類あります。

2020年から「ひとり親控除」が新たに加わり全部で15種類なりました。それでは、ひとつひとつの控除について詳しくみていきましょう。

基礎控除

2019年度分までは、基礎控除額は38万円でしたが、税制改正により下記のようになりました。合計所得金額が2,400万円までの控除額は48万円ですが、2,500万円を超えると控除がなくなります。

年間所得控除額
2,400万円以下48万円
2,400万円超2,450万円以下32万円
2,450万円超2,500万円以下16万円
2,500万円超0円
年間所得ごとの基礎控除額

社会保険料控除

社会保険料控除は、国民年金や国民健康保険、健康保険、厚生年金保険などの社会保険料を支払った場合に適用されます。

控除額は、実際に支払った金額あるいは給与や公的年金などから差し引かれた金額の全額です。生計を同じにする配偶者や親族の負担すべき社会保険料を支払った場合も、控除が受けらます。

生命保険料控除

生命保険料控除は、一般生命保険料や介護医療保険料、個人年金保険料を支払った場合に適用される控除です。

2011年12月31日以前に締結した旧契約と、2012年1月3日以後の新契約では生命保険料控除の取り扱いが異なります。控除限度額は旧契約では10万円、新契約は12万円が上限で、一般生命保険料控除と個人年金保険料控除に加え介護医療保険控除が新設されました。

地震保険料控除

地震保険料控除は、地震保険料または次の条件を満たす長期損害保険の保険料を支払った場合に受けられる控除です。

  • 2006年12月31日までに締結した契約
  • 満期返戻金等のあるもので、保険期間又は共済期間が10年以上
  • 2007年1月1日以降に損害保険契約等の変更をしていない

地震保険の控除額は最高5万円、長期損害保険は最高1万5000円となっています。

寄付金控除

寄附金控除は、国や地方公共団体・公益社団法人・公益財団法人などに一定の寄付をした場合に受けられる控除です。ふるさと納税や赤い羽根共同募金も寄付金控除の対象になります。

控除金額は、次のどちらか低い金額から2,000円を差し引いた金額です。

  • その年に支払った特定寄附金の合計額
  • その年の総所得金額の40%相当額

医療費控除

医療費控除は、本人や生計を一にする配偶者・その他の親族のために医療費を支払った場合に適用されます。

控除金額は、下記の計算式により求めます。

(実際に支払った医療費の合計金額-保険金などで補填される金額)-10万円

なお、医療費控除には限度額があり、200万円を超えての医療費控除はできません。

扶養控除

扶養控除は、扶養する子供や親などの家族がいる場合に適用される控除です。

扶養控除の対象は、納税者と生計を同じにしている16歳以上の親族で、年間所得が48万円以下の人となっています。控除額は、扶養親族が16歳以上で38万円、19歳以上23歳未満で63万円です。

配偶者控除

配偶者控除は、配偶者の所得が年間48万円以下の場合に適用されます。なお納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下でなければなりません。

控除金額は最大で38万円となっており、納税者本人と配偶者の合計所得金額によって変動します。

配偶者特別控除

配偶者特別控除は、年間48万円超~133万円以下の合計所得金額の配偶者がいる場合に適用される控除です。納税者本人の合計所得金額が、1,000万円以下であることが条件となっています。

小規模企業共済等掛金控除

小規模企業共済等掛金控除は、小規模企業共済法に規定された共済契約に基づく掛金等を納めた場合、支払った金額の所得控除を受けられます。

控除できる掛け金は次の通りです。

  • 小規模企業共済法に規定する共済契約の掛金
  • 確定拠出年金法に規定する個人型年金の加入者掛金
  • 心身障害者扶養共済制度の掛金

寡婦控除

2020年度の税制改正により、従来の寡婦・特別の寡婦・寡夫控除は、寡婦・ひとり親控除になりました。

寡婦控除は、次のいずれかの要件に合致する場合に適用になり、控除額は27万円です。

  • 夫と離婚した後婚姻をしておらず、扶養親族がいて所得金額が500万円以下の人
  • 夫と死別した後婚姻をしていないか夫の生死が不明で、所得金額が500万円以下の人

ひとり親控除

納税者がひとり親である場合に適用される控除で、男親・女親を問いません。

年間所得金額が500万円以下で、結婚をしておらず(あるいは配偶者の生死不明)、合計所得金額が48万円以下の生計を一にする子がいる場合に、35万円の控除を受けられます。

勤労学生控除

勤労学生控除は、合計所得金額が75万円以下の学生で、勤労以外の所得が10万円以下である場合に適用になります。控除額は27万円。

障害者控除

障害者控除は、納税者または所得が48万円以下の配偶者・扶養親族が障害者である場合に適用になる控除です。扶養控除の適用がない16歳未満の扶養親族がいる場合にも受けることができます。

控除額は、普通障害者は27万円、特別障害者は40万円、同居特別障害者は75万円となっています。

雑損控除

雑損控除は、災害・盗難・横領などで損害を受けた場合に受けられる控除です。

下記のうち金額が多い額が適用になります。

  • (差引損失額-総所得金額等)×10%
  • 差引損失額のうち災害関連支出の金額-5万円

まとめ

いかがでしたでしょうか?
所得控除は、給与所得者の場合は年末調整で、個人事業者は確定申告をすることで適用を受けられます。所得控除についての知識を身につけ、きちんと申告しましょう。

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